軍師姫、一計を案じる
何事かと思って慌てて飛び出すと、辿り着いた現場の窓は木っ端微塵に割れ、黒い煙が立ち込めている。
ここ、ポリンたちが使ってる研究室じゃん……何が起きたかは容易に想像がついた。
黒煙の中から咳き込みながら一人の人物が姿を表す。
「久しぶりにやらかしたわね……」
白い肌を煤で汚したポリンがそう独り言ちた。
皆がやれやれと肩をすくめると、ポリンもバツが悪そうに苦笑する。
冥界の錬金術士が求める成果は、まだまだ遠い様だった。
FIN
作品名:軍師姫、一計を案じる 作家名:サツキヒスイ