エースコンバット レイム・デュ・シュバリエール
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「まったく、とんでもないやつでしょ?」
彼女はリボン付きとの馴れ初めを明かし終え、得意げな表情を浮かべる。余程思い出深い出来事だったらしい。
「思い出深いなんてもんじゃないさ。後で知ったことだが、アレ、マジにド素人だったみたいだしね。シミュレーターも触ったことのないド素人。そんなやつが、いきなりあんな飛び方するんだよ? あははは、ありえないでしょ!」
規格外な相棒との思い出に、彼女はまた笑う。
本当にあの英雄を育て上げた人物なのだろうか。フランクだからこそ規格外に育てられるのだろうか。
「何、これくらい気楽でないと、アイツとはやっていけないよ。全くもってズレてるからね、型にはまってるやつじゃイライラするだけ……」
ふと彼女は何かを思い出したかのような表情を浮かべる。
「……そうそう、それで思い出したよ。それからそう離れてない時期に、あの子とも出会ったんだっけねぇ」
あの子とは?
「世間一般的にはこっちの方が有名なのかもしれないね。よく国連のCMにも顔を出していたし」
ああ、あの方ですね。国連の『アイドル』の。
「あの子にもビビったね。ラヴィと同い年のはずなのに……でも真面目ちゃんで、アイツとは正反対。そう、アイツとはどこかウマが合わない性格だったんだよね。それで思い出したんだ」
国連の『アイドル』。平和維持活動の『象徴』とも呼べるべき少女。彼女についてもインタビューは行っている。
……しかし、リボン付き側からの彼女の話を聞くのも面白いかもしれない。
私はリボン職人こと、モニカ・ドウモト氏にその話を聞くことにした。
「えーっと、そう。あの日、国連との合同練習があって……」
彼女の話はまだまだ続く……
作品名:エースコンバット レイム・デュ・シュバリエール 作家名:ブルーファントム