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【可哀想なロンシリーズ】ごめんね、ロン その1

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ダイアゴン横丁に出ることが出来た。
キョロキョロと周りを見ても、やっぱり家族はいない。
『漏れ鍋』に入ってみても、誰もいない。

「あの、お母さん見ました?」
店主に問うと、ああ、出ていったよ。と返される。
やっぱり気づいてない。
まぁ、僕はいなくてもいっか。

そう思ったロンは、漏れ鍋で待つことにした。
暖炉の横辺りにある椅子に座り、その辺にあった本を読む。

魔法薬学だろう。
だがロンには難しい。
ベアゾール石も知らないロンに、惚れ薬だなんだは、わからないだろう。
だがロンは、夢中になって読んだ。

いろんな薬があって、その薬をつくるために、いろんな物がいる。
なんだか、そのことに興味を持てた。

「小僧、それは我輩の本だ。」
そう怒られ、バッと顔を上げる。
「ごめんなさい、知らなくて。」
仏頂面の男は溜め息をついた。
「親は」
「知らない。おいてかれたから待ってる。」
はぁ、とまた溜め息をつかれた。
ビクッと肩を揺らし、男を見た。
「…親が来るまで読んでていい。お前はウィーズリーだろう。」
「いいの?ありがとう!」
にぱっと笑い、ロンはまた本に集中した。
男はコーヒーを飲みながら違う本を読んでいる。

知識が乏しいロンは、一々知らない物の説明を見なければならない。
それに、この男が書いたのだろうか、メモや訂正等で見にくくなっている所も、一生懸命読んだ。
店主がお金を持っていないロンに好意で出してくれた本来出ないお水を飲みながら、兄や妹を待った。


「ロン!こんなところにいたの!?」
パーシーに声をかけられ、パッと顔を上げた。
「あ、スネイプ教授。こんにちは。」
「ああ、やっぱりウィーズリーか。弟はしっかり見ておけ。」
本を閉じて、男に返した。
「ありがとうございました。」
「魔法薬学は好きか?」
「??本は面白かった。」
そう言えば、男はフッと笑った。
「じゃあ、魔法薬学の授業も楽しいかもな。」
男は姿くらましをして、いなくなった。
首をかしげるロンに、モリーは説教をする。
ちゃんとついてこないと駄目だ、とか。
あまり聞いていなかったロンだが、沸々と怒りが沸いた。
はじめから居なかった事に、まるで気付いていない。
僕のことは誰も興味ないんだ。
なんだか悲しくなって、早く帰りたかった。