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黒い羊

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いつも、才能がある兄に囲まれて生きてきた。
ただ一人、僕は平凡だっただけなんだ。
才能がないわけじゃない。
兄さん達に、神が才能を与えすぎた。
疎外感だけを感じてきた僕は、ホグワーツ特急で初めてハリーに出会った。
そこにきて、初めて認められたような感覚だったのに。



「赤毛に、お下がりのローブ。お前、ウィーズリー家の子だろ。」



ここでも、認められなかった。
いや、ハリーとハーマイオニーが凄すぎた。
彼らといなければ、僕はきっとそこそこだった。



しかも、いい意味でも悪い意味でも素直だった。
自覚してる。
嫌なものは突っぱねる。
好きなものは懐に。
その所為で、めだってしまっていた。



しかも、ハリーといれば、皆小首をかしげる。
『何であの子が?』
僕は、自分所為で、ハーマイオニーの評価も、ハリーの評価も落ちていることがわかっていた。



だけど、離れようとすると二人はしつこく追ってくる。



(嗚呼、別れを言わなきゃいけないのか。)



「ハリー、ハーマイオニー。僕、もう君たちといるのはうんざりなんだよ。
ついてこないでくれ。
部屋も移動するよ。
パーシという兄が僕にはいるからね。」


僕は、別れたいが為に、酷いことを言った。



____汚れた血め。

作品名:黒い羊 作家名:R.A.B.Draco