黒い羊
傷ついたハーマイオニー。
それに、彼女の味方をするハリー。
これで、よかったんだ。
「…ごめん。」
汚れた血と言ったことは、あっという間に広まった。
マクゴナガルには怒られる。
マルフォイも言う癖に、僕の方を非難する目でみつめてきた。
フレッドも、ジョージも。
パーシー兄さんも。
移動教室は一人で行くし、大食堂で食事をとらなくなった。
教室の隅で黒板を写して、先生の話を聞いた。
でもいいことだってある。
ハリーと行動しなくなったお陰で、いざこざには巻き込まれない。
誰も僕に話しかけないお陰で、勉強しかすることがないから、成績だって上がり始めてる。
これで、よかったんだ。
僕にハリーは合わなかった。
ただ、ちょっとやりすぎただけだ。
「ウィーズリー、ベゾアール石はどこから____」
「山羊の胃。先生、それ2年生の問題ですよね。もう5年です。馬鹿にしないでください。」
これでいいんだ。
厄介者でも、除け者でもいい。
ハリーに迷惑がかからなければ。
「ロン、母さんがクリスマスはハリーと来いって、」
「ジョージも知ってるだろ?僕はもうハリーとオトモダチじゃない。
それに、僕クリスマス休暇は行きたい所があるんだ。
家には帰らない。」
僕は、それだけを言って踵をかえした。
作品名:黒い羊 作家名:R.A.B.Draco