俺のマスク、どこいった?
足早に部屋へ戻り、僕が使っているベットの周りをカーテンで覆う。
マスクを外してごみ箱へ。
頭まで布団を被った。
同室のクラップとゴイルはきっとしばらく帰ってこない。
僕は誰もいない(と思われる)大浴場に行く準備をした。
鞄に積めた着替え等を抱え、大浴場に入る。
更衣室で服を脱ぎ、最後にマスクを取る。
浴室に入りタイルをピタリピタリと鳴らしながら歩く。
行儀悪いとか知らない。
とりあえず適当に頭や躰をあらって湯船に浸かる。
「ふぅ」
ほっと一息ついて、湯に潜る。
ぷはっ、と湯から出たとき、後ろから驚く声が聞こえた。
「誰だ。」
パッと後ろを降り向けば、ウィーズリ(弟)がいた。
「何故お前がここにいる。今は夕食時間の筈だが。」
僕はムッとしながら言う。
せっかく一人だと思ったのに。
「いやぁ、湖に落ちちゃって。」
恥ずかしそうに言う彼を無視して、僕は浴室を出た。
すこし浸かりすぎただろうか。
頭がボヤッとする。
服を着て、マスクをつける。
「あれ?ない。」
『俺のマスク、どこ行った?』
END
作品名:俺のマスク、どこいった? 作家名:R.A.B.Draco