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寺子屋の手記

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彼は今日も、刺激を求めてネットチェスにログインする。

こうして東シベリアにささやかな学び舎が生まれ、育っていく。
その日もカミュは村の集会所で子供たちに勉強を教えていた。
「ねー、カミュ先生」
「何だ」
「僕、将来の夢が出来たよ」
「どんな夢だ?」
「あのね、僕もカミュ先生みたいな先生になりたい!今度は僕が先生になって、この村の子供に勉強を教えるんだ!」
子供の告白に、驚いたように目を見開くカミュ。しかし、すぐに優しく穏やかな表情を浮かべると、
「そうか」
と一言呟き、再びボールペンで採点を始めた。
この時、カミュの瞳がじんわりと滲んでいたのをヤコフは発見したが、ここは黙っていることにした。
『カミュ先生って、結構泣き虫なんだよね。氷河もだけどさ』
本人たちにはとても聞かせられないようなことを考えつつ、ヤコフはプリントの問題を解いた。

カミュ先生の寺子屋。
月・火・木・金が開講日。
時間は午前9時から午後12時。一時間の昼休みを挟んで、午後3時まで。
コホーテク村集会所にて随時受け付け。
筆記用具はなるべく持参すること。
作品名:寺子屋の手記 作家名:あまみ