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Paper Cuts 3

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「…よく言う…」
「本当さ」
「どうだか…」
戯けていたシャアの表情が、一変して冷たくなる。
「拉致され、私と番いの契約を結ぶ事も計画の内か?」
何も答えず、アムロが視線を逸らす。
「その割には番いになる事を拒んでいたな。多少は番いになった私を裏切る事に抵抗があったのか?それとも、あれは演技か?」
「違う!」
咄嗟に出たアムロの答えに、シャアはフッと笑みを浮かべる。
「それでは、スパイである事がバレ、番いを解消されて自身の身が危うくなる事を恐れたのか?」
Ω性はα性に番い契約を解消されると精神的に大きなダメージを受ける。
それは精神が崩壊してしまう程の衝撃だ。
「…そんなんじゃ…無い…」
「では何故?」
「…言っただろう…俺にはその資格が無い…」
「資格か…、それはスパイである自身の立場か?それとも言っていたように妊娠出来ない身体である事か?」
「……」
何も答えないアムロに、シャアは小さく溜め息を吐くと話を進める。
「そういえば、君にまだ検査の結果を伝えていなかったな。検査の結果、勿論薬の影響はあるが、卵巣や子宮には何も問題が無いそうだ」
「え?」
思わぬ言葉にアムロが視線を上げる。
「だから、妊娠出来ない訳では無いと言っている」
「しかし!現に今まで全く妊娠しなかったんだぞ!」
「それは、その時の精神状態や環境のせいだろう。デリケートなものだからな」
「そんな…でも…」
「事実だ」
呆然とするアムロに、シャアがハッキリと答える。
「それにしても、君はどうしてそこまで連邦に従う?」
「…俺は…連邦の軍人だ…」
「あんな目に遭わされて、それでも連邦の軍人で有り続けると?「従う」と言うのかね?それは有り得ないだろう?それとも、連邦を裏切る事が出来ない理由があるのか?」
ピクリとアムロの瞳が揺れる。
「ふふ、君はスパイには向いていないな。感情が瞳に出過ぎる」
アムロの瞳を覗き込み、シャアがクスリと笑う。
「君はあの時、私に自身の事を告白をしてくれた。嘘は一つも無かったが、全てを話した訳ではなかったのだな」
その言葉に、アムロがハッとしてシャアを見つめ返す。
「もう一度、君の口から真実を話してくれないか?」
「…まさか…貴方…」
動揺するアムロを、シャアが優しく見つめる。

「アムロ…話してくれないか?」


to be continued...


次回最終話の予定です。


作品名:Paper Cuts 3 作家名:koyuho