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Paper Cuts 4

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微笑むアムロの頬を撫でながら、包帯の巻かれた腕を見つめる。
「それより、身体の方はどうだ?痛むところはないか?」
「ん…薬が効いてるのかな…特に痛みとかは無いよ」
「そうか…」
シャアはアムロ頭を抱え込み、髪に頬を埋める。
「ああ…漸く私の元に帰って来た…」
「ははは、離れていたけど…俺のヒートの時には約束通り会いに来てくれたじゃないか」
あの時、アムロに連邦に帰るように言ったシャアがアムロの耳元で囁いたのは、
『どんなに離れていても、必ずヒート時には逢いに行き、ヒートが終わるまでは君が嫌だと言っても抱き続けるから覚悟しろ』という言葉だった。
シャアはその約束通り、どこでアムロのヒートを嗅ぎつけるのか、必ずアムロの前に姿を現し、一週間シャアの個人所有の別宅に篭って抱かれ続けた。

「どうでもいいけど貴方、あの一週間、仕事はどうしてたんだ?」
「私には影武者と呼ばれる者がいてね、優秀な部下もいるし、その辺りはどうとでもなったよ」
軽く言ってのけるシャアに、アムロはその優秀な部下とやらと影武者に同情する。
ネオ・ジオンの総帥が一週間も姿を眩ますとなれば、当然相当な下準備と対処が必要だ。
それを彼らが(いや、ナナイ大尉もその一人だろうから彼女らが)どれだけ苦労をしていたのだろうかと思うと、申し訳なさで心が痛くなる。
そんなアムロの心情を汲み取ったのか、シャアが頬を寄せて「気にするな」と囁く。
「この計画は君の協力があってこそ成功したのだ。その為に、番いである我々が離れ離れになると言う状態の問題点に対処をするのは当然の事だ」
「そうかもしれないけど…なんか…な、その人達に感謝しないとな」
「最後は君が身体を張ってアクシズの落下から地球を守ってくれたからこそ、今の和平に持ち込めたのだ、礼などそれで充分だ」
「まぁ、それでもさ、一応その人達に礼は言っといてよ」
「…君がそう言うならばそうしよう」
「うん、ありがとう」
「それよりも早く身体を治してくれ。そして、早く君を抱きたい」
耳元に息を吹きかけながら囁かれ、アムロの顔が真っ赤の染まる。
「シャ、シャア!」
「ふふふ、ああ、そういえば、あの子達の名前はなんと言うのだ?まだ聞いてなかったな」
「え?あの子の名前は…」
アムロは優しく目を細め、子供達の名前をシャアに告げる。
「そうか…良い名だな。次は私が名前を付けたいのだが良いだろうか?」
「え?次⁉︎」
「ああ、傷が癒えたら覚悟をしておけ」
「ちょ…っ!シャア!」
そのまま唇を塞がれ、深く口付けられる。
「ん、んんん!」
「まずい、アムロ。我慢できないかもしれない」
そのままアムロの身体に手を這わせたシャアだったが、それに驚いて身動いだ拍子にアムロが骨折部分を動かしてしまう。
「ちょっ!ダメだってば…って痛たたた!」
「アムロ!」

◇◇◇

それから数十年、アムロは死亡扱いとなっていた為、表舞台に立つ事は無かったが、シャアが引退するまで側で支え続け、スペースノイドとアースノイドとの和平に貢献したのだった。



end

「Paper Cuts 」完結です。
ここまで読んで下さりありがとうございます。
この後、二人のイチャイチャ編が番外編で書けたら良いなぁと思っています。
またそちらも読んで頂けたら嬉しいです。

koyuho
2019.6.10


作品名:Paper Cuts 4 作家名:koyuho