日常ワンカット
磨羯宮の雨の日編
細く開けた窓から、煙草の煙が流れていく。
山羊座のシュラは窓辺で一服しながら、窓の外を眺めていた。
今日は雨だ。天気予報では前線が停滞するため、2、3日は雨が続くという。
雨の日は、稽古も行われない。書類仕事をあまり与えられないシュラは、退屈になってしまった。
「さて、どうしよう」
煙草を噴かしつつ、考える。
部屋にあるDVDでも見ようと思ったが、全て見尽くしている。
ミロならレンタル店を開けるくらいにDVDを持っているので、天蠍宮まで借りに行こうかとも考えたが、結構距離があるので面倒くさい。
部屋に居ても、本当にやる事が無い。
しばらく考えた後、彼は毛布をつかむとベッドの上で横になることにした。
ここのところ夜遅かったし、暇な時に寝貯めをしておくのも良いだろう。
「まぁ、たまにはこんな日もあっていいか」
煙草を灰皿でもみ消し、頭まで毛布をかぶる。
静かな寝息が聞こえるのは、程なくである。
聖剣を持つ男の、だらだらとしたとある一日。