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機動戦士ガンダムRSD 第36話 舞い戻った死神

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しかしサオトメは、目の前の彼女が本当に「アイリス・オバリー」なのか半信半疑だった。
「君・・・・本当にアイリスか?」
 サオトメは、何とかそう聞いた。
するとアイリスは、くすくすと笑った。
こういうときサオトメが知っているアイリスなら大笑いをするはずなのだが今目の前にいるアイリスは、それをしない。
しかしサオトメには、それすら魅力的に見えた。
「もし私が『アイリス・オバリー』じゃなかったら私は、スパイ容疑をかけられますね」
 そういうとアイリスは、サオトメに抱きついた。
その瞬間サオトメは、彼女からシャンプーと彼女自身からの香りをかいだ。
間違いなくその香りは、アイリスそのものの香りだった。
同じι艦隊所属の人間であるため彼女から香る香りは、知っていたためだった。
そしてアイリスは、体を離した。
「少し『大人になる』行為をしただけで何もしていませんよ」
 アイリスは、そういった。
サオトメは、一瞬アイリスが何を言っているのかわからなかったがそれほどサオトメも子供ではない。
すぐにアイリスが何を言っているのかを感じると口をパクパクさせた。
あまりにその顔が面白かったのかアイリスは、先よりも大笑した。
「もう、大佐って面白いな」
 アイリスは、小悪魔な表情で笑っていたがサオトメはそれを認識する余裕はなかった。
「だからこうしたんですよ」
 そういってアイリスは、自分の顔をゆっくりサオトメに近づけた。サオトメは、まるで蛇ににらまれたかえるのようにまったく動けなかった。
刹那部屋に通信が入った。
2人は、あわてて離れた。
サオトメは、無呼吸だったのか腹いっぱいに息を呑み吐いた。
そしてサオトメは、一呼吸おいて通信に出た。
「何だ?」
 サオトメの声は、冷静そのものだったが内心は慌てふためいていた。
「マン・マシーンデッキです。
武装については、大方整備が終わりました。
しかしψーサイクルブースターの整備がまだ終わってません」
 相手は、整備士だった。
どうやらガンダムサイガーMk-?の整備の状況を報告したらしい。
アイリスは、ことごとく空気を読まない整備士を憎たらしく思っていた。
「わかった。
後10分で仕上げろ。
こっちも栄養を補給する」
 サオトメは、整備士に指示を出した。
「了解」
 そこで通信を切った。
するとサオトメは、自分が空腹だったことをすっかり忘れており一気に空腹感が襲ってきた。
「食堂に行くか?」
 サオトメは、恥ずかしそうにアイリス曹長を誘った。
「はい」
 アイリスの答えにサオトメは、アイリスに手を差し伸べた。
アイリスは、その手を握って立ち上がった。
「ありがとうございます」
 アイリスは、笑顔で答えた。
「ああ」
 2人は、部屋を出るとちょうどブライアン艦長に会った。
ブライアン艦長は、敬礼した。
サオトメも敬礼で返した。
「ちょうど大佐を起こしにいこうかと思いまして。
食堂では、食事の準備が整いました」
 ブライアン艦長は、サオトメを起こしに行こうかと思っていた。
「ああ、わかった」
 3人は、食堂へ向かった。
 食堂に着くとそこには、豪勢な料理が並んでいた。
サオトメは、少しびっくりしながらも椅子に腰掛けた。
アイリスは、その向かい席に座った。
「いただきます」
 そういってサオトメは、食事を始めた。
サオトメは、かなり空腹だったのかすごい速さで料理を口に運んだ。
「そんなに急がなくても料理は、逃げない」
 ブライアン艦長が苦笑しながらそういった。
「すみません。
腕が止まらなくて」
 サオトメは、一呼吸おいてからそういった。
「まあゆっくり食べてくれとは、いえないが落ち着いて食べろ」
 ブライアン艦長は、あやすように言った。
「はい」
 ブライアン艦長は、そういってブリッジの方に戻っていった。
アイリスは、ずっとサオトメのそんな姿を見ていた。
サオトメは、その視線に気づいた。
「あまり熱い視線を送られると食べにくいんだが」
 いくらサオトメでもこの状況でがつがつ食べられるほど鈍くなかった。
「すみません」
 アイリスは、あわてて謝った。
アイリスは、この悪くなってしまった空気を打破すべく何か別の話題を考えた。
「新型機の性能は、どうですか?」
 アイリスは、いい話題を見つけた。
「悪くない。
何せ俺が機体の設計をしたんだからな」
 サオトメは、少し食べるペースを遅くした。
サオトメは、心配させまいと「ジェネレーター部分に心配事がある」とは言わなかった。
そして2人は、しばらくこれまでの自分たちがした経験を話し合った。
 しばらくすると艦内放送が流れた。
「コロニー艦隊がオーブへ侵攻を開始しました」
 それを聞いてサオトメは、マン・マシーンデッキに急いだ。
すでに料理は、食べ終えていた。
 マン・マシーンデッキに着くと整備士たちが困惑していた。
「ψーサイクルブースターが万全とは、いえません」
 整備士たちが申し訳なさそうに答えた。
「了解」
 整備士たちの報告にサオトメは、そう答えた。
その時シグマン少佐が来た。
シグマン少佐は、何か言いたげだったが何も言わなかった。
その時サオトメがシグマン少佐に近づいた。
「お前の言いたいことは、わかる。
それに敵パイロットの正体と技量もだ」
 そういうとシグマン少佐が驚いた。
「同時にお前の技量と指揮能力もだ。
艦隊とアイリスを護ってくれてありがとう。
お前じゃなければ全滅していた。
よくやった」
 サオトメは、シグマン少佐をねぎらった。
その瞬間シグマン少佐は、泣き崩れた。
アイリス曹長は、空気を読んでシグマン少佐をその場から連れ出した。
 サオトメは、ガンダムサイガーMk-?のコックピットに入った。
 そしてドゴス・ギアのハッチが開いた。
「アツシ・サオトメ、ガンダムサイガーMk-?出る」
 サオトメは、混沌渦巻く地球へ出撃した。