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機動戦士ガンダムRSD 第36話 舞い戻った死神

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そこにアスラン准将が入ってきた。
アスランは、少し躊躇したがキラの近くに行った。
キラは、それに気づいた。
「アスラン・・・・。僕は、とんでもないことをしてしまった・・・・。あの時僕らは、エターナルの援護だけでよかったのに・・・・。僕が余計なことをしたばかりにバル
ドフェルドさんが・・・・。」
 アスランは、静かにキラの話を聞いていた。
「俺たちは、焦っていたかもしれないな」
 うつむいていたキラがアスランの言葉に顔を上げた。
「何も出来ないでいる自分が嫌だったのかもしれない。だからあせって深追いしたのかもしれない。俺も救世主に乗ってシンたち後輩に戦い方を教えようとしたが結果は、散々だった。その結果俺も多くの後輩を亡くした。
もうこれ以上後輩を死なせたくない。
だから無理をしたんだ。
だから守ろう、俺たちの手で後輩たちを。
今度は、魅せる戦いから守る戦いをするんだ」
 アスランは、キラを勇気づけた。
「うん」
 キラは、うなずいて立ち上がった。

                                       ※

 サオトメは、無事アイリス機と共にドゴス・ギアに着艦した。
サオトメは、コックピットから出るとすぐにアイリス曹長が抱きついてきた。
「ごめん、アイリス。
俺のわがままを聞いてくれないか?」
 そういうとサオトメは、アイリス曹長の顔を上げさせた。
そしてガンダムサイガーMk-?の方を見た。
アイリス曹長もつられてみた。
「こいつの調整で4日間ずっと寝てないんだ。
だから今すごい眠いから寝かせてくれ」
 サオトメは、困った表情でいうとアイリス曹長は笑った。
サオトメは、なぜアイリス曹長が笑ったのかわからなった。
「いいですよ。
下士官室でよろしいでしょうか?」
 アイリス曹長が質問した。
「ああ十分だ」
 先とは、打って変わってアイリス曹長がサオトメを抱きかかえて下士官室に向かった。
 途中ブリッジから降りてきたブライアン艦長にあった。
「サオトメ?
何かあったのか?」
 ブライアン艦長は、アイリス曹長に抱きかかえられた形で廊下を渡っているサオトメに驚いた。
「サオトメ大佐は、新型機の調整に不眠不休で作業していたんです。
ですからこれから下士官室でお休みになるのです」
 アイリス曹長は、事情を説明した。
「そうか。
そうだったのか」
 ブライアン艦長は、何かに気づいた。
「不眠不休ってことは、飯もまともに食べてないんじゃないか?
食堂で何か作ってもらうようにいっておくが」
 ブライアン艦長は、食事の用意を思いついた。
「すみません。
そうしてください」
 ブライアン艦長の提案にサオトメは、眠そうにお願いした。
「では」
 アイリス曹長は、敬礼してその場を去った。
サオトメは、本当に眠いのか敬礼をしなかった。
 サオトメは、初めてドゴス・ギアの下士官室に入った。
そこは、士官部屋と違って部屋は区分され荷物もそれぞれのところに置かれていた。
サオトメは、早速ベッドで横になり体を固定するためのベルトを締めた。
これは、艦が急に舵をきった場合体が宙に浮かないための配慮のものだった。

                                        ※

 ドゴス・ギアのマン・マシーンデッキでは、整備士がガンダムサイガーMk-?の整備に取り掛かっていた。
ちょうどアナハイムからガンダムサイガーMk-?の武装が届いていた。
しかし皆は、なれない新技術が使われているガンダムサイガーMk-?に悪戦苦闘だった。
特にψーサイクルブースターは、ガンダムサイガーMk-?の心臓部でありながらまったく手が出せない状況だった。
「クソ。
どうなっているんだ?」
 整備士の何人かは、ψーサイクルブースターの設計図とにらめっこをしていた。
「この配線がこうだから・・・・ここが・・・・」
「違うぞ。ここの配線は、ここだろ?」
「いやいやいや、見ている部分が違うぞ。配線の配置が違う」
 先からああでもないこうでもないばかりいっている。
しかしそれ以外の部分は、割と順調に整備作業が進んでいた。
「ジェネレーター部分の整備、どうだ?」
 整備班長が状況を確認してきた。
「だめです。
ψーサイクルブースターの整備がぜんぜん」
 ψーサイクルブースターは、ミノフスキー・イヨネスコ型核融合炉につけられたいわゆる「エントロピー減少装置」である。
これにより既存のジェネレーターと冷却装置を強化することなく全体のエネルギーを増加できる装置である。
しかしこの理論は、まだ完全に解明されておらずまたどうしてそうなるかもわかっていない。
それが整備士たちを泣かせた要因である。

                                         ※

 サオトメは、夢を見ていた。
それは、すぐには、信じられない光景だった。
それは、目の前に自分の墓石がありι艦隊関係の人とα艦隊の人が墓参りに来ていた。
特にアイリスは、涙を流していた。
それをシグマンが慰めていた。
皆は、墓石をたわしや雑巾で拭いたり水をかけ新しい花を添えた。
そして敬礼して皆が帰ろうとしたときにサイジョウ元帥が来た。
するとアイリスは、すごい目つきでサイジョウ元帥を見た。
それは、憎しみなどといったものではなく純粋な殺気がこもった目つきだった。
サイジョウ元帥は、何か申し訳なさそうに視線を落とした。
そしてアイリスは、おもむろにサイジョウ元帥に近づこうとした。
皆は、必死にアイリスを止めた。
「何であなたがここにいるんですか?」
 アイリスの質問にサイジョウ元帥は、ただ視線を落としたまま答えない。
「あなたのせいでサオトメ中将は」
 アイリスは、そこまで言うとためていた涙をどっと流した。
「返してよ。
私の愛した人を返してよ。
あなたほどの人が・・・・もし・・・・もしあの時サオトメ中将の意見を取り入れていれば」
 サオトメは、その後自分がどうして死んだのかを大体掌握した。
 サオトメは、目覚めた。
夢の内容は、至極最悪だったが目覚めは悪くなかった。
(そうか。
俺は、死ぬのか)
 サオトメは、不思議と怖くなかった。
人間誰しも死ぬときは死ぬ。
そう割り切っていたからかもしれない。
サオトメは、体を固定しているベルトを取って起き上がった。
「サオトメ大佐、おはようございます。
よく眠れました?」
 アイリス曹長が椅子に座ったままこちらを見た。
その瞬間サオトメは、残っていた眠気が一気に吹っ飛んだ。
別段アイリス大尉の見た目は、変わっていなかったが問題はオーラのようなものだった。
今彼女からが放っているオーラは、よい言い方をすればとても魅力的なオーラであり割る言い方をすればいやらしいオーラだった。
サオトメがどぎまぎしていると異変を察知してかアイリスは、サオトメの近くに座った。
サオトメは、自分の心臓がやけにうるさく呼吸も満足にできていない自分に気づいていた。
「どうかしたんですか?」
 アイリス曹長は、きょとんとしてそう聞いた。
当の本人は、「まったくそんなこと意識してませんよ」と言わんばかりの接し方だった。