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Fate/GO アナザーワールドインスクロース 2

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「悪いことしたらすぐに太陽を落とされちゃうんだよ」
「太陽が落とされる?」

一体どういうことなんだろう?
詳しい話を聞いても、子供の説明なのでいまいち要領が掴めず、五右衛門に聞いても首を横に降るだけだった。

「大丈夫っすよ! 何かあったらすぐに駆けつけてアッシが守ってあげるっす! だから、心配しなくてもいいっすよ!」
「ニンジャのねーちゃん……」
「……約束だからね!」
「任せておくっすよ!」

アッシュとミゲルに別れを告げた俺たちは、アキレウスの戦車に乗り込み、空中庭園を目指す。
移動中にアッシュとミゲルのことについて聞いてみる。

「いや~あの子達はっすね、身寄りのなかったアッシに寝床を提供してくれたんっすよ。それから結構な頻度で盗賊やらなにやらが町に出るようになりましてね、一宿一飯の恩を返すために義賊紛いの事をしてたんっすよ」
「そうだったんですか。何て言うか、義理堅い人ですね」
「日ノ本の人として生きているなら、恩を返さなきゃいけねえっすよ!」

五右衛門はまた笑った。
空中庭園に到着し、メラニアさんの拠点についた俺たちは、ダ・ヴィンチちゃんに報告した。

『そうかそうか、アサシンの石川五右衛門か。女の子だとは思わなかったけど、サーヴァントとしては優秀だね』
「そうっすよ! アッシは優秀でございやす! もっと褒め称えるがいいっすよ~」
「調子に乗るな」
「ぐあぁぁぁ! 体が、重いぃぃぃ!」
「何で俺までぇぇぇ!」
「簡単に人を信用するなと言っただろ。これは罰だ」

体中に重りがついているかのように、体が思うように動かない。
サーヴァントである五右衛門ですら動けないほどなので相当の負荷がかかっているようだ。

『それにしてもメラニア女史の気配が無いようだね。それにクーフーリンも』
「どこかに出掛けたのではないでしょうか? クーフーリンさんも護衛で着いていってると考えると自然です」
『そうだといいけどね。まあ、こっちはこっちでスキャナーのアップデート中だ。使えるようになったらすぐに報告するね』
「何から何までありがとうございます。それでは、メラニアさんを探しつつ、空中庭園の探索を開始します」
『うん、気を付けてね』

ダ・ヴィンチちゃんとの通信を終え、探索に出ようとしたその瞬間、メラニアさんの悲鳴が聞こえた。
俺たちはすぐに悲鳴が聞こえた場所まで走って向かうと、武器の衝突する音が聞こえた。

「メラニアさん、アニキ! 無事!?」
「マスター! こっちに来るな!」

雑木林の中からクーフーリンの声がした。
急いで立ち入ろうとした時、マシュが俺の前に出て盾を構えた。

「そう何度も不意打ちはさせません!」
「さすがに分かっちゃうか。勘が鋭いね、盾のお嬢さん」

雑木林の影からニット帽を被ったアーチャー、パリスが現れた。
パリスの姿を見てアキレウスは飛び出しそうにしていたが、なんとか抑えた。

「そこを退いてくれませんか。仲間がいるんです」
「あのランサーのことかい? 今は止めた方がいいよ。彼は今、感動の再開をしているところなんだから」
「感動の再開?」

どういうことだ?
クーフーリンと縁のあるサーヴァントがいるのか?
そう思っていると、パリスの隣からクーフーリンとクーフーリンに抱えられているメラニアさんが出てきた。

「ちょ、ちょっとおろしてください! せっかく思い付いた事が忘れちゃいますぅ~!」
「うっせぇ! 黙ってろ!」
「アニキ!」

俺がクーフーリンに呼び掛けると、クーフーリンは横目で俺を確認した後、メラニアさんを投げつけてきた。
なんとかメラニアさんをキャッチしたが、反動で尻餅をつく。
クーフーリンに文句を言おうとした瞬間、誰かがクーフーリンに向かって来た。

「セタンタァァァ!」
「しつこいぞ、アイフェ!」

クーフーリンは迎撃しようとして構えると、その人物は剣を振りかぶり、振り下ろす。
武器同士がぶつかり、風圧が巻き起こる。
クーフーリンとつばぜり合いをしている人、よく見ると誰かに似ている気がする。
確か……そうだ、スカサハ師匠だ。
髪の長さは違うが、あの顔つきは間違いなくスカサハ師匠に似ている。

『さっきクーフーリンはアイフェって言ったかい?』
「は、はい。確かにそう言ってました」
『アイフェはスカサハの双子の姉妹で、影の国の最強の魔法剣士だ。おそらく残りのセイバーのサーヴァントは彼女で間違いないだろう』

セイバーのサーヴァント、アイフェ。
影の国の最強の魔法剣士にして、唯一、クーフーリンとの間に子を成した女性。

「やれやれ、彼の事になるとすぐに暴走するんだから。まあ、依り代になった女性の性格がそのまま前に出てるのかもね」

パリスはそう呟いた。