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誰にも君を渡さない 2

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そんな貴重な技術をライバルに流してまでもアムロとの決着にこだわるシャアに、そのプライドと執念を感じた。
「クワトロ大尉…」
そして、二人の会話に上がるララァという女性の存在。それこそが二人の因縁の源であり…二人を繋ぐものでもあった。
「このララァって人は誰なの?シャアの恋人で…その人をアムロ大尉が殺したって事?でも、アムロ大尉にとってもその人は特別だったみたいだよね?」
ジュドーの問いに、昔、アムロから聞いた事をブライトが思い出す。
「ララァ・スン少尉、一年戦争当時のジオンのパイロットだ。彼女もまたニュータイプで、アムロとは戦闘中に共感したらしい」
ジュドーはハマーンと戦闘中に共感した事を思い出す。
互いの魂全てを交感するかの様なあの感覚、あの感覚をアムロとララァも体感したのだ。
「その人を…アムロ大尉が?」
「ああ。と言っても、どうやらシャアを庇った彼女を不本意にも撃墜してしまったというのが本当のところらしい。アムロは取り返しのつかない事をしてしまったと、かなり自分を責めていた」
ジュドーは自分がハマーンの最期を感じた様に、アムロもララァの最期を共感してしまったのだろう事を察する。
「それは…キツイなぁ…」
必要以上に人の想いを感じ取ってしまうニュータイプにとって、繋がりの深い人物の死は強烈な衝撃を与える。
その事を思うと、その時のアムロの辛さは計り知れない。
「あの後のアムロは、それを振り払う様に戦闘に集中した。アイツもギリギリの精神状態だったんだろうな。実際、最終決戦となったア・バオア・クーは激戦で、生き残れたのは奇跡に近い」
「そんな激戦を…当時アムロ大尉ってまだ十五、六歳だよね?」
「ああ、本当に良くやってくれたと思う…」
三人は黙って目の前に映る二人の激闘を見つめる。
そして、二人の激闘がアムロの勝利で幕を閉じたと思った矢先、アクシズの後方部が地球の引力に捕まって落下を始めた。
勝利宣言をするシャアに、アムロが怒りを滲ませ叫ぶ。
《ふざけるな。たかが石っころひとつ、ガンダムで押し出してやる!》
「何だと!アムロの奴、モビルスーツでアクシズを押し返えすだと⁉︎」
思わずブライトが立ち上がる。
そして、実際にアクシズに取り付いて押し返すνガンダムに言葉を失う。
「…あの馬鹿!」
誰がどう考えても無謀な行動に、あり得ないと思いながらも、その後の展開を知る三人は、アムロの命懸けの行動に涙が滲む。
「アムロ大尉…」
そして、アムロの想いに共感したモビルスーツ達が次々と同じ様にアクシズ取り付く。その中にはギラドーガもいた。
その光景に、あの時アクシズで何が起こっていたかを知り、ブライトが愕然とする。
「あの時…アクシズでこんな事が…」
そんな中でも言い争いを続ける二人、しかしその内容は互いを否定する内容から徐々に変わっていき、シャアとアムロの本心を見せ始めた。
《結局、遅かれ早かれこんな悲しみだけが広がって地球を押しつぶすのだ。ならば人類は、自分の手で自分を裁いて自然に対し、地球に対して贖罪しなければならん。アムロ、なんでこれがわからん》
《そんな極論!》
言い争う二人の身体がサイコフレームの光に包まれ始める。
《シャア!これは人の心が共鳴した光だ!このあたたかさを感じるだろ!》
《しかし、このあたたかさを持った人間が地球さえ破壊するんだ。それをわかるんだよ、アムロ》
シャアのその叫びは、もはや懇願に近い。
《わかってるよ。だから、世界に人の心の光を見せなけりゃならないんだろ!》
アムロの叫びに共鳴する様にサイコフレームの光がνガンダムから膨れ上がる。
「やはりあの光はサイコフレームの光…それも…ガンダムから…アムロから発せられているのか…」
あの時、艦橋からは確認出来なかった光の正体をブライトはようやく知る事が出来た。
そして、シャアの本心と、アムロの想いも伝わる。
シャアはアムロに認めて貰いたかったのだろう、そしてできる事ならば共に歩みたかったのかもしれない。シャアは何度もアムロに手を差し伸べていたのだから。
しかし、シャアのネオ・ジオン総帥としての立場や過去の蟠り、色々なものがその手を取る事を許さなかった。
もしかしたら、誰よりもシャアを理解していたアムロは、本当はその手を取りたかったのかもしれない。

その後、一層大きく膨らんだサイコフレームの光と、落下の摩擦熱によって、二人の叫び声と共に映像は途切れた。

三人は真っ暗になった画面を見つめたまま、暫く動けずにいた。

「なんてこった…」
初めに言葉を発したのはブライトだった。
それにジュドーが答える。
「今回の…地球連邦政府のアムロさんへの対応を聞くと…シャアの気持ちも分からなくもないって思ってしまう…」
ジュドーの言葉にアストナージが疑問の声を上げる。
「地球連邦政府の対応?」
「停戦条約締結の条件として、ネオ・ジオンがアムロの身柄を要求してきた。それを奴ら二つ返事で了承しやがった」
「な!アムロ大尉は命懸けで地球を救ったんですよ!」
アストナージは怒りに声を荒げる。
しかし、少し考えると「いや…」と首を横に振る。
「もしかしたら…アムロ大尉はクワトロ大尉の元に行った方が良いのかもしれない」
「アストナージ?」
「だってそうでしょう?艦長。二人はあの光の中で互いの想いをぶつけ合って…ようやく分かり合えたんじゃないでしょうか?だから今なら…」
「…そうかもしれんな…」

そして数日後、ラー・カイラムをネオ・ジオン総帥、シャア・ダイクンが訪れたのだった。


to be continued.

しまった!シャアとアムロがまともに出てこなかった!


作品名:誰にも君を渡さない 2 作家名:koyuho