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op.1 綾波レイのSS [ハイキング」

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アスカ 「何も感じないけど」

レイ 「音もする」

加持 「さすがはレイだ。さ、着いたぞ。ここが今日のベストスポットだ」

シンジ 「わー、こんな所に湧き水が出てるんですね。それから向こう側に芦ノ湖が見える」

加持 「そうだろ。そしてその下には我らがジオフロントだ」

シンジ 「あの都心から、こんな短時間で自然の中なんて。なんか不思議ですね」

加持 「そうだろ。世界ってのはまだまだ美しいものに満ち満ちてるものさ
さてシンジ君。こんなところで立ってるのも疲れるし、簡易テントを建てるぞ。手伝ってくれ。あとの二人はゆっくりしといてくれ。力仕事は男の仕事ってな」

アスカ 「私は加持さんを手伝うー。ファーストはその辺でゆっくりしてなさいよ」

レイ 「そうするわ」テクテク

アスカ 「もう。テンション低いのね」

シンジ 「そうかな。僕にはかなり楽しんでるように見えるけど」

加持 「お、シンジ君も分かってきたねー。そうだ。あの子は楽しんでる」

アスカ 「何よ二人して」

レイ:山中にて

レイ (水。流れる水。気持ちのいいもの。良い匂いがする。透き通るような。それでいて力強いような。可憐な匂い。少し掬って飲んでみる。おいしい。冷たいけど、暖かい。体に満ちて来るような。ここは好き。空も、川も、森も、みんな気持ちがいい。一つ一つ違うけど、全部繋がってるような気がする。)

レイ:森を散策。

レイ (色んな匂いがする。木の匂い。花の匂い。爽やかなのもあれば、土臭いものもある。みんな生きてる。少し安心する。エヴァの中に似てる?)

レイ:きのこ発見。

レイ (碇君の言ってたキノコ。良い匂いがする。)

レイ:・・・・パクっ

アスカ、シンジ、加持サイド

加持 「ふー、できた。じゃあゆっくりしますかねー。いやー、空はいいねー。普段の嫌なことも何もかもわすれちゃいそうだ」

アスカ 「そうねー」(ちょっとシンジ。空気読みなさいよ。)

シンジ 「ちぇ、分かったよ。綾波は何してるんだろ。ちょっと見て来る」

シンジ:レイを見つける。

シンジ 「あ、綾波―。ずっとここにいたの?」
 
レイ 「ええ

シンジ 「楽しんでる?」

レイ 「分からないわ」

シンジ 「どんな気持ちなの?」

レイ 「シャワーを浴びた後のような気持ち。でも、今は汗をかいてる」

シンジ 「僕らはそれをよく清々しいっていうけど・・・」

レイ 「そう。清々しいのね。これが・・・。私、こんなところ来たの初めてだから」

シンジ 「そういえば、綾波は普段休みの日は何をしてるの?」
レイ 「何もしてない。寝てるか、本を読んでる」

シンジ 「綾波はそれで楽しいの?」

レイ 「分からない。でも、皆は何をするものなの?」

シンジ 「そうだなー。僕はトウジやケンスケと遊びに行ったり、ゲームしたり、勿論、家でゴロゴロしたりするときもあるけど、あ、たまにチェロを弾いたりするよ。あんまり上手じゃないけど」

レイ 「楽しいの?」

シンジ 「楽しいとは少し違うかもしれないけど、なんだかスッキリするんだよ。落ち着くっていうか・・・。綾波も何か趣味を持ってみたらいいんじゃないかな?」
 
レイ 「趣味?」

シンジ 「うん。そうしたらもっと普段が楽しくなるよ」

レイ 「何をすればいいの?」

シンジ 「うーん。そうだなー。そうだ、散歩とかどう? 綾波に合ってるかも」

レイ 「散歩?」

シンジ 「そう。ただ少し歩くだけさ。でも、綾波は匂いや音に敏感だろ? だから歩いているだけで色んな発見があると思うんだ。とにかく、アヤナミは外に出た方がいいよ。エヴァ以外の世界にさ!」

レイ 「外の世界には何があるの?」

シンジ 「うーん。よく分からないけど、映画館でしょ、スーパーでしょ、レストランでしょ。野良犬とかもたまにいるかなー。家の周りだけでも毎日歩いてるといろんな発見があって面白いんだ。毎日少しだけ違うし。例えばこの前なんか・・・」

レイ「・・・・」
シンジ 「ごめん。面白くないよね」

レイ 「いいえ。聞かせて」

シンジ「え、じゃあ、いつも公園で犬の散歩をしてるおばさんがいるんだけどさ、そのおばさんがその日に限って犬を連れていなかったんだよ。不思議に思ってたらね・・・って綾波、そんなにつまらないからって、寄りかかって眠らなくても・・・は、離れてよ・・・。ん?」

レイ:突然ふらつく。

シンジ 「ど、どうしたの!? 綾波! 綾波! 加持さん、大変だ!!」


夜、テント前 加持、通話中

リツコ 「レイの調子はどう?」

加持 「ぐっすり眠ってるよ。少し目まいがしただけなんだが、俺が無理言って寝かせた。悪い。俺の監督不行き届きだ。まさかレイが間違って毒キノコを食っちまうなんてな」

リツコ 「サクラタケはとっても弱い毒だから、普通は症状なんか出ないくらいなんだけどね。レイには刺激が強すぎたのかしら。それにしても、よりにもよってあのレイがね」
加持 「あー、なんでも朝に食べたシンジ君の味噌汁。あれに似た匂いがしたから食べてしまったそうだ」

リツコ 「確かに、サクラタケからはダイコンの匂いがするわ。ただ、それを無警戒に食べてしまうなんて、よっぽどシンジ君のお味噌汁がおいしかったんでしょうね」

加持 「レイが目覚めたら帰るよ。葛城にもそう言っといてくれ」

リツコ 「でも、レイにとっては良い思い出になったかもしれないわね。あの子、外に出ること自体がまずないから」

加持 「思い出にはなったろうな」


テント中
レイ:目覚める。

シンジ 「綾波、大丈夫?」

レイ 「ええ。もともとそんなに大ごとじゃなかったから」

シンジ 「ごめんね。僕がキノコがおいしいなんて言っちゃったものだから」

レイ 「あなたのせいじゃないわ。私が不注意だっただけ」

シンジ 「でも少し嬉しかったよ。そんなにあの味噌汁を気に入ってもらえたんだなって」

レイ 「ええ。良い匂いがしたから。それに・・・」

シンジ 「どうしたの?」

レイ 「ううん。何でもない」

シンジ 「そっか。そういえばこれ、食べてよ。七草がゆって言うんだって」

レイ 「優しい香りがする」

シンジ 「そう。セカンドインパクト前は、春っていうもう少しすずしい季節があってね。その時に食べてたみたいなんだ。お腹に優しいよ」

レイ 「そう」パク。「おいしい。優しい味がする」

シンジ 「良かった、気に入ってもらえて。実はね。日本ではもう絶滅したと思われてたんだけど、最近山奥で発見されたらしいんだ。加持さんが栽培してて、もってきてくれたんだよ」

レイ 「そう。強いのね。こんなに小さいのに」
シンジ 「そうだね。自然ってすごいね。14年前にあんなことがあったのに、力強いよね」

レイ 「そうね。こんな小さなものたちでも、ちゃんと生きてる」

虚空を見つめるレイ、星空。

レイ 「ねえ碇君」

シンジ 「何?」

レイ 「あなたはエヴァを降りた後はどうするの?」

シンジ 「エヴァを降りる?」

レイ 「使徒を全て倒して、もうエヴァが必要じゃなくなったら」