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miss you 4

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そこから感じるプレッシャーは怒りと悔しさが滲んでいる。
「アムロ・レイ!勝負だ!」
サーベルで斬りかかってくるギュネイをソード・アックスで受け止め、アムロが応戦する。
「来い!」

結果としてはギュネイの惨敗。
レズンとジョルジョの方は互いに無傷ながらも武器を使い果たし引き分け。
四機はオペレーターからの帰艦指示に従いレウルーラへと帰艦した。


ヘルメットを脱ぎ、コックピットからフワリと降り立つアムロにギュネイが不機嫌そうな顔をして近寄ってくる。
「ギュネイ准尉、お疲れ様」
とりあえず声を掛ければ、ギュネイがアムロを指差して叫ぶ。
「アムロ・レイ!次は俺が勝つ!」
それだけ言うと、背を向けて去ってしまった。
「あ…ギュネイ准尉…って行っちゃった」
「ははは!放っておきな。今頃悔しくてロッカーで壁でも蹴ってるんじゃないか?」
まさにその頃、ギュネイはヘルメットを脱ぎ捨て、壁を蹴りながら悔しげに叫んでいた。
「レズン少尉…」
今後の事を思うとあまり機嫌を損ねたくはないが、今は何を言っても火に油だ。
アムロは小さく溜め息を吐いて肩をすくめる。
「気にすんなって。ボウヤだから直ぐに忘れる」
笑いながらアムロの肩をバンバンと叩き、ギラ・ドーガから降りてくるジョルジョを見上げる。
「アンタ達、事前にフォーメーションの打ち合わせとかしてたのかい?」
「え?いや、特には。ただ、きっとジョルジョならこう動いてくれるかなぁとは思ったけど」
アムロの呑気な言葉にレズンが一瞬固まる。
「本当かよ」
「ん?ああ」
そんな二人の元にジョルジョが降りてくる。
「レズン少尉、アムロ、お疲れ様」
「お疲れ、中々いい訓練が出来たよ。ジョルジョ中尉」
「こちらこそ、流石はレズン少尉だね」
「アンタこそいい腕してるじゃないか」
「ありがとう」
そう言いながらも、アムロを優しく見つめ、腰に手を当てるジョルジョに、レズンが二人の関係を察する。
「ああ、そう言う事。そりゃ気も合うわけだ」
「レズン少尉?」
何を言っているのか分からず、アムロが首を傾げる。そんなアムロの仕草に、レズンはクスリと笑うと、アムロの肩をポンっと叩いてその場を去っていった。
「何でも無いよ。アムロ大尉、次は私とも手合わせ頼むよ」
「え?あ、ああ…こちらこそよろしく」
アムロがよく分からないと言った顔をして見送っていると、ジョルジョがアムロの手を引いてギラ・ドーガの影へと連れて行く。
「どうしたの?ジョルジョ」
ジョルジョはアムロを壁に凭れさせ、そっと頬に触れる。
それにビクリと身体を震わせるアムロを、少し悲しげに見つめる。
「ごめん、怖がらないで」
「ジョルジョ…」
「もう少し触れてもいいかい?」
ジョルジョから伝わる縋るような想いに、アムロは何も言えずにジョルジョを見上げる。
「キスしても…いいかな…」
「ジョル…」
「お願いだ、拒まないで…キスだけだから…」
シャアとの事があり、ジョルジョとは距離を置いていたが、戦闘でお互い気持ちが昂ぶっていた為か、ジョルジョもいつもよりも強引にアムロに迫る。
そんなジョルジョを拒み切れず、触れるだけのキスをする。
「アムロ、君が好きだ」
「ジョルジョ…」
「君と大佐との間に何があったかは聞かない。だけど、僕の気持ちは知っておいて欲しい」
アムロはビクリと身体を震わせて瞳を背ける。
しかし、そんなアムロの頬を優しく包み込んで上向かせると、そっと自身の額とアムロの額を重ね合わせる。
「アムロ、君を愛してる…」
「ジョル…」
動揺するアムロの後頭部と腰に腕を回し、もう一度唇を重ねる。
今度は深く、アムロが逃げられ無いようにきつく抱き締めながら…。
「ん…ふ……んん」
息が出来ないほどの長い口付けの後、少し朦朧としているアムロをギュッと抱き締め、ジョルジョは視線を上に向ける。
そこにはキャットウォークからこちらを見下ろすシャアの姿があった。
ジョルジョがシャアを牽制する様に真っ直ぐに睨み付けると、怒気を孕んだスカイブルーの瞳が睨み返してきた。
それでもジョルジョは視線を逸らさずシャアを睨み続け、アムロを抱く腕に力を込める。
そんなジョルジョに眉をひそめ不機嫌そうに顔を顰めると、マントを翻してシャアはその場を去って行った。
シャアの姿が見えなくなり、自分に向けられた激しいプレッシャーが消えて、漸くジョルジョは小さく息を吐いてアムロを抱く腕の力を抜く。
「ん…ジョルジョ…」
「強引な事をしてごめん」
優しく瞼や頬にキスをして、アムロを解放する。
「ジョルジョ…」
どうして良いか分からないと言った表情を見せるアムロに少し罪悪感を感じるが、上目遣いでこちらを見上げるその潤んだ琥珀色の瞳にジョルジョの胸がドクリと脈打つ。
愛おしいと思う心が溢れ出し、このままアムロを奪い去りたいと言う想いが込み上げる。
しかし、アムロの状況もよく分かっている。
戸惑うアムロの心を思い、グッとそれを抑え込んだ。

すまなそうに自分を見つめるジョルジョに、アムロがフルフルと小さく首を横に振る。
アムロとて、ジョルジョの事は好きだ。
この優しく暖かい腕を手放したく無いと思う。
しかし、シャアとの事を思えば素直に手を伸ばす事が出来なかった。
そしてふと、時折見せるシャアの優しさを思い出す。
眠る自分に、何も言わず上着を掛けてくれたシャア。甘い言葉など微塵んも無いが、激しく自分を求める心を感じる事がある。
それが恋とか愛とかそう言った感情かどうかは分からない。
もしかしたら自分の中のララァ向けられたものかもしれない。
そして、自分の前でだけ見せる弱さ。
トラウマが残るほどひどい事をされた筈なのに、アムロはそんなシャアを恨み、拒む事が出来なかった。
『私は…一体どうしたいんだ…』


そんな三人を、レズンが興味津々に見つめる。
「なんか面白い事になってるな」
レズンはクスリと笑うと、モビルスーツデッキを後にした。


to be continued




作品名:miss you 4 作家名:koyuho