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Tokyo Boogie Days(未完)

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だからオルフェは面倒を押し付けられたとはいえ、ファラオをとっちめる気にはなれなかった。
「パンドラに女の子らしいことをさせるのには賛成だな。ユリティースが楽しくガールズトークできる」
それだけファラオに告げたオルフェは、今度こそ自分のフラットに戻った。
ファラオはその背中を眺めつつ、両手で顔をゆっくりとさすりながら、
「素直に、『ユリティースを楽しませてくれてありがとう』って言え、バカ」
と毒付いた。
冥界の音楽家たちは、こんな仲なのだ。

いよいよ東京見物当日。
パンドラは通販で購入した服に袖を通し、鏡でフォルムをチェックしていた。
その日のパンドラはいつもの黒いドレスではなく、年相応に見えるカジュアルな服装だった。
「今日はエスニックを取り入れてみる?」
と、どこぞの馬鹿ミュージシャンの嫁のアドバイスを取り入れ、
落ち着いた色合いのブルーのインナーの上にチュニックを重ね、
すらっとした足は彼女らしい黒のレギンスにラメの入ったグレーのミュールだ。
「お、おかしくないか?」
ジュデッカでカジュアルな姿を披露したパンドラは、恥ずかしそうに怖ず怖ずとファラオやクイーンに問う。
二人とも呆然と上司の変わりぶりを眺めていたが、問いかけられるとその表情のままフルフルと首を横に振った。
作品名:Tokyo Boogie Days(未完) 作家名:あまみ