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忘れないでいて【if】3 〜birthday2〜

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再度耳元で懇願するように囁かれ、アムロの顔が見る見る赤く染まる。
「…身体って…そういう事…ですよね…えっと…」
恥ずかしさで、なかなか答えられないアムロに、シャアがもう一度キスをする。
「アムロ、愛している。君が欲しい」
真顔で迫られ、これ以上ないくらい大きく瞳を見開いたアムロは、戸惑いながらもコクリと頷いてそれを了承する。
「ありがとう…」
嬉しそうに微笑む綺麗な顔に、アムロは思わず目眩を覚える。
『眩し過ぎる…こんな笑顔向けられて断れる人なんていないよ…』
顔を真っ赤に染めて少し緊張するアムロを、シャアが愛おしそうに見つめ、優しく抱き締める。
「ベッドに行こうか…」
「はい…」

◇◇◇

 これでもかと言うほど優しく愛された後、ベッドで横になるアムロの左手をシャアがそっと手に取り口付ける。
「シャア?」
「アムロ、君の誕生日に約束した事を覚えているか?」
「え?」
アムロが声を上げたその時、左手の薬指に何か冷たい物が触れる。
そこにあったのはプラチナに光るリング。
その意味と約束を思い出し、思わず叫ぶ。
「あっ!」
「アムロ。これから先、永遠に君と共に生きていきたい。その証を受け取ってくれるか?」
指にはめたリングに口付けながら、優しいスカイブルーの瞳がアムロを見つめる。
「シャア…」
アムロはシャアの瞳を見つめ返し、そしてリングに視線を向ける。
「これ…」
「マリッジリングだ。今の私の状況では正式な手続きは出来ないが、これを誓いの証としたい。アムロ、君の返事を聞かせてくれ」
「そんな…返事なんて決まってるじゃないか!」
アムロはシャアへと手を伸ばし、その首へと抱きつく。
「イエスだよ、シャア。僕と共に生きてくれ!」
「ああ、アムロ。永遠に共に…」
アムロを抱き締め返し、二人は強く抱き締め合う。
そして、シャアはもう一つのリングを取り出しアムロへと手渡す。
「実はスミレに君のリングの受け取りを頼んでおいたのだが、その時に彼女が気を利かせて私の分も用意してくれたのだ」
「もしかしてあの時スミレさんから受け取っていた包みってコレだったんですか?」
「ああ、気付いていたのか?」
「えっと…はい。貴方とスミレさんがなんだか凄く親密で…気になってずっと見てました…」
視線を逸らしながら気まずそうに話すアムロに、シャアが満面の笑みを浮かべる。
「なんで笑ってるんです⁉︎」
「嬉しいからさ」
「嬉しい?」
「ああ、だって君は嫉妬してくれたんだろう?」
「し、嫉妬⁉︎そんなんじゃ!」
「違うのか?」
確かに、親しそうに話す二人が気になってしょうがなかった。そして、スミレさんに微笑むシャアになんだか胸がもやもやした。
「……違わ…ないです…」
顔を真っ赤に染めるアムロをもう一度抱き締める。
「アムロ、君は本当に可愛いな」
「可愛いって言わないで下さい!」
「ふふ、アムロ、君の手でこれを私にはめてくれないか?」
左手を差し出し、アムロの琥珀色の瞳を見つめる。
スカイブルーの瞳に見つめられながら、アムロはシャアの男らしい大きな手を取り、ゆっくりとリングを薬指へと通していく。
そして、シャアがしてくれた様にそのリングへと口付けた。
「シャア、僕の人生は貴方と共に…」
「アムロ…」
二人はどちらともなく唇を寄せ合い深く口付ける。
そして、何があっても離れないと誓い合った。
「アムロ、最高のバースデイだ…本当にありがとう」
「ふふ、おめでとうシャア。でもなんだか僕の方がプレゼントを貰ったみたいだ…」
「そんな事は無い。何よりも嬉しいプレゼントを貰った」
「そっか…そう言って貰えたら嬉しい…」


 翌日、盛大に遅刻してきた二人にスミレは溜め息を吐きつつも、幸せそうな二人を前に笑顔が溢れる。
「もう、お二人とも幸せオーラ出し過ぎです」
「すまんなスミレ、こればかりはどうにもならん」
「シャ…クワトロ大尉!何言ってるんですか!」
真っ赤になるアムロに微笑ましさを感じながら、その背中をポンっと叩く。
「ふふ、さぁさ、今日中に零式の調整を終わらせますよ!」
「はい!」


 無事に調整を終えてプラントを後にした二人を見送り、スミレの横に立つエドヴァルドが盛大な溜め息を吐く。
「わしの可愛いアムロは赤い彗星にかっ攫われてしまったな…」
寂しそうに呟くエドヴァルドに、スミレがクスリと笑う。
「チーフ、気付いてらしたんですか?」
「当然だろう?昨日アムロを抱き締めるわしを赤い彗星が射殺さんばかりに睨み付けてきたぞ」
「シャア大佐は独占欲が強そうですもんね」
「アムロはとんでもない男に見染められちまったな」
「そうかも知れませんね。でも、あの二人が共にある事で、世界の平和が守られる様な気がするんです」
「平和か…そうだな。愛する者が側にいなければ、あの男は世界を滅ぼし兼ねない程の危険性を秘めているからな」
「…そうですね…」
 その壮絶な人生と純粋さ故に、かつて復讐に生きた男。その復讐を成し遂げた後、亡き父の理想を引き継ぎスペースノイドの独立自治に向けて精力的に活動していたが、何処か人間味に欠けたところがある人だと思っていた。
しかし、久しぶりに連絡を貰った彼からの頼まれ事はスミレに驚きと少しの安堵をもたらした。
 まさか相手がかつてのライバルであり、同性だと言うことには驚いたが、アムロの人柄と、そのアムロを見つめるシャアの優しい瞳や人間味の溢れる雰囲気に妙に納得した。
「世界の平和の為にも、お二人には末長く幸せになって貰いたいですね」
「アムロにとっては災難だが致し方あるまい」
「ふふふ、そういえばアムロ大尉からお菓子を戴いたんです。一緒に如何ですか?」
「ああ、貰おうか…」
「はい!」


end


シャア大佐、お誕生日おめでとうございます!