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miss you 【番外編 シャア&アムロ編】

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miss you 【番外編 シャア&アムロ編】



 アクシズの落下を奇跡的に食い止めたシャアとアムロは、サザビーでレウルーラへと帰艦した。
《サザビー着艦!》
オペレーターの声と、モニターに映し出されたサザビーを見つめ、艦橋のナナイとライルが安堵の息を吐く。
「大佐、ご無事ですか?」
ナナイの問いに、シャアがモニターを繋げて答える。
「私は無事だ。しかしアムロが負傷している、至急医療班の手配を頼む」
モニターには、シャアに抱き抱えられたアムロがぐったりとシャアに身体を預け、意識を失っている姿が映る。
「アムロ大尉⁉︎大丈夫ですか?」
「傷が開いたらしい、出血が酷い」
「分かりました。今、医療班を向かわせます」
「頼む」
シャアはハッチを開き、アムロの身体を気遣いながらゆっくりとコックピットから降り立ち医療班を待つ。
そこに、レズンとギュネイも駆け付ける。
「総帥!アムロはどうした⁉︎」
グローブを外したアムロの袖口からは、ポタリ、ポタリと血が滴り落ちている。
「命に別状はない、アクシズを押し返している時の衝撃で傷口が開いたんだ」
「傷口って例の襲われたって言うアレのかい?」
「ああ、全く、こんな傷で出撃するなど…」
荒い息を吐きながら、痛みに顔を顰めるアムロをシャアが心配気に見つめる。
「まぁ、取り敢えず無事で良かったよ」
「お前達も良くやってくれた」
シャアからの労いの言葉に、レズンとギュネイが互いに目を見合わせる。
「自分たちは何もしていません、連邦の軍勢は皆こちらを無視してアクシズに取りつきましたから」
連邦軍の地球からの援軍を食い止める為に布陣を引いていたギュネイ達だったが、連邦のモビルスーツ達はネオ・ジオン軍には目もくれず、アクシズへと向かって行ったのだ。
「らしいな。しかし、ホルストの計画を阻止する事が出来た」
「全てはコイツのお陰だよ」
レズンがクシャリとアムロの髪を撫でる。
「…そうだな」



 直ぐに駆け付けた医療班により医務室へと運ばれて治療を受けたアムロは、現在シャアから長々と説教を受けている。
「大体君は無謀過ぎる!モビルスーツで隕石を押し返せる訳がないだろう!」
延々と続く説教にそろそろ限界を感じて、アムロは側に控えるナナイにチラリと視線を向ける。
それに気付いたナナイが、コクリと頷きシャアへと声を掛ける。
「大佐、そろそろ艦橋にお戻り下さい」
「…っ」
まだまだ何かを言いたそうだが、そうもしていられない事はシャア自身が一番良く判っている。今回の事件についての対応を早急に進めなければならない。
シャアは小さく溜め息を吐くと、「安静にしておくように!」とアムロを指差して釘を刺し、渋々ながらも艦橋へと戻って行った。

「はぁ…やっと終わった」
包帯を巻かれた肩をそっと撫でながら大きく息を吐く。
「ははは、お疲れ」
そこに、シャアと入れ替わりでレズンが病室に入って来た。
「レズン少尉!」
「調子はどうだい?」
「流石にまだ少し痛むけど麻酔が効いてるから大丈夫。それよりもシャアの説教のが堪える」大きな溜め息を吐いて肩を落とす。
「それだけ心配してたって事だろ?」
「分かってるけど…それにしたって、あんなに怒らなくても良いじゃないか!」
ぶつぶつと文句を言いながらも、シャアが自分を心配してくれている事は充分判っている。
心配をしているからこその説教だと言うことも。
「なんだかブライトに説教されてるみたいだ…」
そこまで言いかけてハッと気付く。
「まずい、ブライトに何も言わずにνガンダム放ったらかしてレウルーラに来ちゃった!多分νは回収してくれただろうけど、もぬけのからだからな…きっと心配してる…よな…」
「その辺は大佐がちゃんと連絡してるだろ?」
「だと良いけど…どっちにしても命令違反したからブライトに怒られる…!ヤバイ…」
「命令違反?」
「戻れって言う命令を無視してアクシズに取り付いた。馬鹿野郎って叫んでる声が聞こえたから…絶対怒ってる」
「そりゃ怒ってるって言うより心配してるんだろ?」
「…あ…うん…」
目を伏せるアムロの肩をポンっと叩きレズンが慰める。
「まぁ、アンタが無事ならそれで大丈夫だよ。説教くらい受けときな」
「他人事だと思って…ブライトの説教もシャアに負けず劣らずねちっこいんだぞ」
「うわぁ、頑張んな」
「もうっ!」
「ははは、まぁまぁ。それよりもアンタが無事で本当に良かったよ。てっきりあのまま死んじまったと思ったからね」
「うん、正直自分でも何が起こったのか分からないけど…サイコフレームにみんなの想いが集中しすぎて暴走したんだと思う…結果としてアクシズの軌道を変えられたけど、今思えば無謀な事をしたよね」
「本当だよ。でもさ、大佐がサザビーを凄い勢いで飛ばしてアクシズに向かって行ったのを見た時は、これが3倍速の赤い彗星かと、そんな場合じゃないのに思わず見入っちまったよ」
モビルスーツとは思えないスピードで宇宙を駆ける姿は、アムロの駆るガンダムの白い軌跡とは対照的に、まさに燃える赤い彗星の様だった。
「赤い彗星か…昔、戦場であの姿を見た時は本当に怖かったよ。いつも必死だった」
「アンタがかい?」
「当たり前だろ。まともに訓練も受けてない素人がいきなり戦場でアレと対峙したんだぞ。何とか死なずに済んだけど、暫くは震えが止まらなかったよ」
「ああ、そりゃ怖いわ」
そんな素人が赤い彗星と戦って生き延びたんだから、そっちのが充分凄いだろうとも思うが。
それに、後に自分が「連邦の白い悪魔」と呼ばれて同じ様にジオン兵に恐れられていたのだと言う事を本人は知っているのだろうか?
「そう言えばさ、あの時アンタと大佐の会話が聞こえてきたんだけど、父親がどうのこうの、産んでくれるのかとか…あれってつまり、アンタが大佐の子を妊娠してるって事かい?」
レズンの言葉に、アムロがガタリと音を立てて驚く。
「…え?」
「だから、アクシズでアンタと大佐が話してただろ?」
「ちょ…ちょっと待って?ま…さか…アレが聞こえて…?って言うかみんなにも聞こえてたのか?」
回線がオープンになっているとは思わず、いろいろな事を口走った気がする。
「ああ、オープン回線だったからね。あの辺にいたモビルスーツやレウルーラにも聞こえてたんじゃないか?」
「…っ嘘だろ…⁉︎」
アムロは真っ赤になった顔を両手で覆い、言葉を失う。
「いや、ホント、ホント。で、どうなんだい?」
「え…いや…だから…ってレズン少尉、面白がってるだろ!」
焦るアムロをニヤニヤと見つめるレズンに思わず叫ぶ。
「当たり前だろ!こんな面白いネタ聞かずにいられるかい?ほら、どうなんだい?」
ベッドに腰を下ろし、アムロの顎を掴んでレズンが答えを迫る。
「レ、レズン少尉…!」
「ほら、全部吐いちまいな」
結局、レズンに追求されて洗いざらい喋らされてしまった。
「…なるほどねぇ」
面白半分に聞き出したものの、思った以上に込み入った内容でレズンは溜め息を吐く。
「ったく。大佐と言いジョルジョ中尉と言い、面倒臭い男たちだねぇ」
「レズン少尉…」
「こんな怪我までして死にそうになって、アンタも散々だ」
「でも…私の責任でもある…」