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miss you 【番外編 シャア&アムロ編】

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「そうかもしれないけど…」
シーツをギュッと握るアムロの手をレズンが優しく撫でる。
「まぁ、でもアンタの気持ちはもう決まってるんだろ?」
「ああ…、もう迷わない」
アムロは顔を上げ、コクリと頷く。
「そうか。でも、ネオ・ジオンでアンタが生きていくのは簡単じゃないよ?」
「…分かってる。でも、あの人のそばに居たいんだ…ずっと…支えたい」
そう言って真っ直ぐに見上げる琥珀色の瞳に、レズンはアムロの覚悟を悟る。
「覚悟を決めたんなら私が言う事は何もないよ。ただ、困った事があったら何でも言いな。私で良ければ力になるよ」
「レズン少尉…ありがとう」


◇◇◇


 結局、アクシズの騒動は連邦の高官達がシャアから賄賂を受け取った事実を隠蔽する為にも、アクシズの核パルスエンジンの不備による事故として処理された。

 色々な事後処理が終わり、二週間が経って今日、ようやくレウルーラはロンデニオンを出航する。
出航の時間まで、アムロとシャアはレウルーラ内のシャアの執務室で軽い食事を取っていた。

「あれが事故って…よくそんな大嘘がつけたな」
「その方が連邦の高官共にも都合が良いのだから問題あるまい」
「それはそうだけど…」
いまいち納得できないが、それでネオ・ジオンやシャアが糾弾されないのならば良いかと、アムロは半ば無理矢理自分に言い聞かせる。
「半分に割れたアクシズもちゃっかり回収して資源採掘に使ってるし」
「当然だ。言っただろう?アクシズは貴重な資源だと。それに、切り札は取っておかねばな」
「え?まさか貴方、アクシズ落としを諦めてないのか?」
「今のところするつもりは無いが、連邦は我々がその気になれば地球潰しが出来ると言うことを知ったからな。こちらの要求を通す為の材料にはなる」
「貴方って本当に強かだよね」
「お褒めに預かり光栄だ」
呆れながら呟けば、余裕たっぷりに返される。
「褒めてないよ」
「それよりもアムロ、体調の方はどうだ?痛みは?」
シャアが心配気にアムロの顔を覗き込む。
「もう大丈夫。痛みも思った程は無いよ」
「そうか…しかしまだ無理はするな。栄養もしっかり取らねば。ほら、もっと肉を食べろ」
そう言ってフォークに刺した肉を口元に運ばれる。
「だから大丈夫だって」
「そう言って君は全然食べないじゃないか」
少々強引ながらも、心配してくれているのが分かるので、差し出された肉を素直にパクリと口に含む。
「うん、美味しい」
ふと見上げれば、何故かシャアが顔を赤くして口元を手で覆っている。
「シャア?どうした」
「…いや、何でもない。後は自分で食べなさい」
「?うん」
シャアの表情を疑問に思いながらも食事を続ける。
「そういえば、ナナイ大尉はジョルジョと面会出来たそうだね」
「ああ、流石に身分は明かせなかったが、ブライトが手配をしてくれて面会出来たそうだ」
「そうか…良かった」
アムロがホッと息を吐く。
「君は…」
シャアはそう言いかけて、逡巡した後言葉を止める。
「…何?」
シャアは小さく息を吐くと、意を決してアムロに向き合う。
「君は…ジョルジョ中尉に会わなくて良かったのか?」
少し言い辛そうに問うシャアに、アムロは小さく笑みを浮かべてコクリと頷く。
「ジョルジョとは…ちゃんと話をしたから…。いつか、また元気な姿が見られたらそれでいい」
「アムロ?」
「…だから、自分の気持ちを…ジョルジョにはちゃんと伝えた。その上で…ジョルジョが背中を押してくれたんだ。貴方に自分の気持ちをちゃんと伝えろって、それから、貴方の気持ちも確かめろって」
頬を少し赤く染めながら、照れ臭そうに視線を逸らす。
「アムロ…」
「あの時、ちゃんと言ったろ?私の気持ちは…さ」
「ああ、私も君への想いを伝えた」
優しく目を細め、シャアがゆっくりと席を立ってアムロの隣に移動する。
「アムロ、君が好きだ」
頬に手を寄せ囁けば、その手に頬を摺り寄せながらアムロが答える。
「うん、私も貴方が好きだよ」
互いの瞳を見つめ合い、吸い寄せられる様に唇を重ね合う。
「君は私のものだ…誰にも渡さない…」
アムロをそのまま強く抱き締め、キスを深いものにしていく。
「シャア…」
唇を離し、もう一度二人は見つめ合う。
「アムロ、ずっと…私の傍にいて欲しい。そして私を支えてくれ」
「良いよ、ずっと貴方のそばに居る…」
「アムロ!」
ギュッと強く抱き締めてくるシャアを、アムロも強く抱き締め返す。
「シャア…」
「やっと…君を手に入れられた…」


 執務室の隣にあるシャアの私室で愛を確かめ合った後、シャアの腕の中で微睡ながらふと、レズンの言葉を思い出す。
「あっ」
「どうした?アムロ」
シャアはアムロの首筋に唇を這わせながら、肩に巻かれた包帯の上から傷を優しく撫ぜる。
「そういえば、あの時の私たちの会話がオープン回線になってるって貴方気付いていたのか?」
「あの時?」
「アクシズを押してた時だよ」
「ああ、初めは気付かなかったが、途中からは気付いていた」
「なっ!だったら教えてくれよ!貴方しか聞いてないと思ったから色々恥ずかしい事を口走っちゃったじゃないか!」
「そんな事を教えたら君は言葉を続けてくれなかっただろう?」
「当たり前だ!あ、あんな恥ずかしい事!」
「何を恥ずかしがる、互いに己の本心を伝えただけだ」
「そ、そうだけど、皆んなに聞こえてたんだぞ!レウルーラの艦橋にだって!」
「ああ、ナナイに聞いた。全て聞こえていたと。だからと言って誰も私達のことを反対する者などいないぞ」
「ナナイ大尉⁉︎そう言えば、貴方とナナイ大尉って恋人同士だっただろう?良いのか⁉︎」
今更になってその事実を思い出し、アムロの顔が蒼白になる。
「心配しなくても良い、もう随分と前から彼女とはそう言った関係ではない」
「え?…いつから?」
「…君を…初めて抱いた時から…だな」
「あ…」
嫉妬に駆られ、無理やりアムロを抱いて傷付けた。その後、自分に怯えるアムロに心が痛んだ。そんな状態でナナイと関係を持つなど到底出来ず、互いに何かを言う訳では無かったが、自然とその関係は終わりを告げていた。
「ごめん…私の…所為で…」
「違うだろう?あれは間違いなく私が悪い。そんな私をナナイが見放すのは当然だ」
「そんな事…」
あの後も、ナナイがシャアを慕っているのは分かっていた。けれど、確かにあの一件から二人の関係は少し変わっていた様にも思う。
シャアとジョルジョの事で頭が一杯だったあの時にはそんな余裕も無くて気づかなかったが…。
「私は…ナナイ大尉にどうやって謝ればいいのかな…」
「ナナイは君の謝罪など求めていない。寧ろそんな事をすれば彼女のプライドを傷付ける」
「…うん…」
確かに、シャアの言う事は尤もで、もしも自分が逆の立場だったら絶対に謝罪など聞きたくない。
「我々は色々な人を傷付けながら結ばれた。だからこそ…何があっても離ればなれになってはいけないと思わないか?」
ナナイやジョルジョ、そしてホルストもその一人だろう。
「…うん」
アムロの背中を摩りながら、優しく諭すシャアの胸に頬を摺り寄せコクリと頷く。
「それに…この子の為にも二人で力を合わせて幸せになろう…」