【弱ペダ】サイワイノセカイ
授業の一説が蘇ってくる。春の歓喜を歌った詩だ。ほんの一瞬、ほんの触りを聞いた。それだけだけれど、春の何が嬉しいんだろうと最初は思った。けれど、今だったら判る気がする。この素晴らしき世界が嬉しくないはずがない。
慕わしきは君。
君さえいれば、晴れも雨も。夏も冬も。
共に過ごせる幸せに空を飛ぶ……、いや、ひばりじゃないから、俺はきっと自転車で走りだすよ。
元気に、愉快に、歓喜に。
ペダルを踏む足も軽く。タイヤがぐんぐんと進む。
この幸いの世界を、ずっとどこまでも、君とともに。
-- end
作品名:【弱ペダ】サイワイノセカイ 作家名:せんり