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先生の言葉 全集

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125.潔癖症



 潔癖症なので困ってる?

 そうなんですか。そもそも迷宮なんて、きれいな場所ではありませんからね。いきなりむさ苦しいモンスターに組み付かれたりもしますし、味方や自分も返り血とかでドロドロになるでしょうから。

 それだけじゃない? 他にも大変なことがあるんですか。ああ、馬小屋に止まれない。簡易寝台でも駄目? 宿泊費用がかさむのは厳しいですね。
 へえ。手に入れた武具も鑑定していいやつだったとしても、一度、お店に売ってきれいにしたものをわざわざ買い直してるんですか。でもたまに、すきをつかれて他のパーティに買われてしまうことがあるんですね、いろいろな苦労がありますねえ。
 ピット? なるほど、穴に落ちてもはい上がるより泥を払うのを優先してしまうので、パーティの他の人々が穴からよじ登る際に、踏み台にしたり蹴ってくるんで散々だ、と。そりゃ、難儀ですねえ。

 でも、お話を伺えるのは本当にうれしいのですが、私はいつもいつも血や肉塊が飛び散っているようなモンスターです。友好的なので、あなたが刃を向けない限りこちらから触れるようなことはしませんが、正直な話、こんな私では有効な解決方法を提示できる気がしませんよ。

 解決はしなくてもいいけど、灰から生き返ったことがあったら、どんな感じだったかを教えてほしい? うーん。私は灰どころか死んだらすぐ生き返るので、灰になった経験はないんですよね。でも、灰から生還することになにか意味があるんですか。

 潔癖症だと、数え切れないほど洗っても汚れが落ちたような気がしないので、いっそのこと灰になってから生き返れば、また清い体に戻れるんじゃないかなと思っている、と。

 うーん。まあ、不快な思いをいろいろとされているとは思いますが、それをリセットするために灰にまでなるのはどうでしょうか。それに、あなたは戦士の職に就いているようですから、生命力も決して低くはないでしょう。それなら、もともと灰になりにくいでしょうし、仮に灰になったら二度と目覚めずに埋葬されてしまう可能性もあるわけで。それだけのリスクを負っても、あなたの思うような状況になるかはわかりません。個人的には止めといたほうが良いと思いますよ。

 じゃあ、メイジに炎の魔法を唱えてもらって体の一部をに灰にしてもらう? その後、僧侶に回復魔法をかけてもらえばいい?

 そこまでするのなら、さっさと魔除けを取り戻して冒険を終わらせたほうがいいかもしれませんね。


作品名:先生の言葉 全集 作家名:六色塔