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先生の言葉 全集

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113.僧侶魔法弱すぎ問題



 あの、すみません。部屋に入ってきていきなり「魔法、弱すぎじゃね?」と私に問われても、なんと返していいのかわからないんですが……。

 見たところ、あなたは僧侶のようですね。え? 回復魔法の回復量がしょぼすぎる? ははあ、なるほど。あなたのおっしゃりたいことはだいたいわかりましたよ。

 僧侶の回復魔法はレベル1、4、5、6に存在しますが、ちょっと問題がある並びですよね。まず、1の次の4が遠すぎる。しかもその4の魔法も回復量が大して増えやしない。さらに、レベル6の超優良な回復魔法さえ覚えてしまったら、他のみっつはほぼほぼ見向きもしなくなってしまう。それぐらい大味なバランスだなあと私も思っています。
 特に、レベル6の魔法は状態の異常すら治してしまうところがもう反則と言ってもいいですよね。石化状態なんてこの魔法でしか治せないときてますし。

 ん? 回復魔法だけじゃない、蘇生の魔法もどうかしているって? それはどういうことでしょうか。
 ええ。蘇生魔法はレベル5とレベル7に存在するが、あんなものを使うくらいなら寺院の強欲坊主どもを頼るか、魔法使いに頭を下げて、経験を失うことと引き換えに生き返らせてもらったほうがいい。だから、全くもってあのふたつは無用な呪文……ですか。

 これでは、僧侶魔法だけでなく僧侶という存在そのものが軽んじられてしまう、魔法体系を見直して、僧侶の地位を向上させるべきではないか、ということですね。

 うーん。私にそれを言うのはどうかと思いますが、まあ、うなづける話ですね。

 でも、こう考えてみたらいかがでしょう。僧侶の方は魔法が使える上に前衛で体を張ることもできるというメリットがあると思うんです。その点だけでも僧侶の地位はそう簡単には揺るがないものじゃないでしょうか。
 それと、回復魔法の件ですが、魔法の体系を変更してそれらの魔法をより低レベルで使えるようにしたら、それはそれで別の問題も起こる気がします。具体的には、比較的成長の遅い司教や君主たちもそれらの回復魔法を簡単に覚えてしまうことで、さらなる僧侶不要論を招きかねないことが挙げられますよね。
 蘇生魔法については、なるべく死なないようにしましょうとしか言えません。あとは、魔法使いがより強大な力を行使できるぶん、彼らは体が弱いということで留飲を下げてください。

 そうですか。ご理解していただけましたか。じゃあ、また頑張って仲間を癒やしてあげてくださいね。


作品名:先生の言葉 全集 作家名:六色塔