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機動戦士ガンダムRSD 第40話 終焉の始まり

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ラクスは、ある覚悟を決めた。
「シバ首相のお言葉を否定する意思は、全くありません。
我々は事実コロニーに核を放ち、巨大破壊兵器で街を焼き、子供達をただ戦いの道具としました」
 その言葉に地球軍兵士は、皆動揺した。
「しかしそれは、悪しきコロニー軍を討ち平和な明日をつかむためのやむを得ない方法なのです」
 地球軍兵士は、ラクスの言葉を真剣に聞いていた。
「コロニー軍は、我々の非人道的な行為を非難するだけで自分たちの行為を一切開示しません。
先の戦争中に中東アジアで行われたコロニー軍による非人道的な行為の数々。
オーブが地球軍に加盟しコロニー軍に宣戦布告した原因を認め忘れないでいただきたい」
 ラクスの言葉とともにコロニー軍による虐殺行為や辱めの行為が流れた。
どれも人の行為とは、言い難いものばかりであった。
「私もコロニー軍を批判できる立場にないことは、重々承知しております。
ですが自分たちの行為を隠し相手を一方的に批判するコロニー軍の行為は、許せるものではありません」
 コーディネーターは、コロニー軍への憎悪が増していた。
「この戦争が地球軍の勝利に終わってもナチュラルからの憎悪は、消えないでしょう。
この戦争が私たちの勝利に終わった時私は、地球軍のこれまでの非人道的行為の罪を背負いコロニー連邦共和国側に処罰される覚悟です」
 瞬間コーディネーターとナチュラル皆が驚愕した。
「コロニー連邦共和国側は、必ず非人道的行為を指揮し参加した兵士の身柄引き渡しを要求してくるでしょう。
しかし彼らには、家族がいます。
家族と平和な未来へ歩めるのなら地球軍に絶大な影響力を持つシーゲル・クラインの娘であるラクス・クラインの使命であると直感いたしました」
 その並々ならぬ覚悟に1人、また1人と地球軍兵士が泣き出した。

                              ※

 スクイードでは、コロニー軍兵士の1人がマン・マシーンデッキでガンダムサイガーMk-2改の整備をしているサオトメに近づいた。
「報告します。
たった今ラクス・クラインの演説が終わりました」
 サオトメは、作業の手を止めなかった。
「それで?」
 サオトメが短く質問した。
「あの女は、性懲りもなく以前オーブが宣戦布告する際に流れたプロパガンダの映像を使いました」
 兵士は、憤慨しながら報告した。
「それで?」
 サオトメは、興味なく質問した。
「徹底抗戦を呼びかけました」
 兵士がイライラしているのは、明らかであった。
「了解した」
 サオトメは、短く答えた。
しかし兵士は、サオトメに怒りをぶつけることなく敬礼しその場を去った。

                               ※

 ルナツー宙域を警戒していた第441遊撃艦隊は、敵を補足した。
「1時の方向、30度上方に敵戦艦3隻。
ローラシア級です」
 センサー長が敵の艦種と数を報告した。
「ローラシア級3隻キャッチ、戦闘体制に入ってください」
 オペレーターが艦内マイクで報告した。
「たった三隻で何をしようというのだ?
全員、第1戦闘配置だ」
 艦長は、敵の意図が読めなかった。
「第1戦闘速度に入ります。
各機関、防御確認」
 操舵長が下令した。
「ECM、レーザーサーチャー、最大発信。
ミノフスキー粒子、戦闘値散布」
 センサー長が報告した。
「各機銃座と主砲を開け」
 艦長の命令で主砲が敵艦隊に向けられた。

                                 ※

 ローラシア級3隻からザクファントム12機が発進した。
「いいか、陽動作戦と言っても気を抜くなよ。
ザク6機とアドリアーノとヴィテロッツォは、敵艦隊に攻撃を掛けるぞ。
各機、最大戦速」
 艦長が命令を出すと艦隊とモビルスーツ隊は、最大戦速で遊撃艦隊に接近した。

                                  ※

「目標、Fライン通過。
モビルスーツは、ザクタイプです。
90秒後に接触します。
ローラシア級も最大戦闘速度でついて来ます」
 センサー長が敵の動きと機種を報告した。
発進したユーピテル部隊は、敵機を補足しつつあった。
ユーピテル部隊は、ザクファントムに向けてユーピテル・バズーカで弾幕を張ったが命中しなかった。
ザクファントムも誘導ミサイルをユーピテルに発射したが命中弾は、なかった。
するとザクファントムが二手に分かれた。
ユーピテル部隊も二手に分かれた。
 それは、旗艦マゼランでも確認できた。
「敵機を通させないという意志は、認めよう。
だが敵と同じように分かれては、勝ち目はなくなる」
 艦長は、そのように判断した。
「野郎、もっと引き付けるんだ」
 パイロットの1人がコーディネーターに敵意をむき出しにしたがあわてず引き付けようとした。
「いけ」
 そして十分引き付けたところでビームマシンガンを直撃させ撃墜した。
「やった」
 パイロットは、喜んだ。
「見かけによらずやることは、冷静だな。
見直したぜ。
よけろ」
 僚機のパイロットは、爆発の光の中に別の敵機が接近してくるのに気づいた。
「しまった」
 パイロットは、浮かれていたため発見が遅れた。
バルカン・ポッドで迎撃したが500mm無反動砲で反撃されシールドで防いだが破壊された。
「やつら」
 僚機は、ビームマシンガンで攻撃したが500mm無反動砲の反撃で右腕を破壊され後続機も突破されてしまった。
反対側では、ザクファントム2機が1機のユーピテルに500mm無反動砲を撃ったが回避された。
「いける」
 すると180mmキャノンを持った僚機がザクファントム2機を狙い撃った。
前方のザクファントムは、コックピットを撃ち抜かれ後方のザクファントムは頭部を破壊された。
「とどめ」
 頭部を撃ち抜かれたザクファントムが反撃に500mm無反動砲を撃ったが回避され反撃にグレネードで反撃され両足を破壊された。
そしてとどめに180mmキャノンで撃墜された。
反対側は、突破を阻止できた。

                                  ※

 ローラシア級艦隊の旗艦の艦長は、チャンスと感じた。
「ザクがやられた宙域を狙い撃ちだ。
敵艦隊まで一気に突撃を敢行する」
 ローラシア級3隻は、遊撃艦隊に猛攻をかけた。

                                  ※

 それは、マン・マシーン隊でも確認できた。
「マゼラン、聞こえますか?
これより直掩にまわります」
 マゼランは、ザクファントムの猛攻を受けていた。
「頼む。
ザクを撃墜しない限りローラシア級に攻撃もできない。
急いでくれ」
 艦長は、命令なしでもしてほしかった。
「第6ブロック被弾。
隔壁、破られました」
 オペレーターが被害状況を報告した。
「弾幕が薄いぞ。
相手は、動いてくれるんだ。
なまじ狙わずに撃てと言え」
 艦長が砲台長に指示を出した。
「ローラシア級がFラインを越えました。
ビーム来ます」
 センサー長が報告した。

                                   ※