機動戦士ガンダムRSD 第40話 終焉の始まり
ガルナハンでも先の演説で言い争いが起きていた。
「コロニー軍があんなことを?」
「いや、でもα艦隊は」
それを見ていたコニールは、いてもたってもいられなくなった。
「みんな何言ってるんだよ。
コロニー軍は、悪い奴等じゃないぞ」
その瞬間住民たちは、はっとなった。
「悪いのは、ロゴスと連合なんだ。
オーブなんかそっちの味方じゃないか」
コニールがそういうと1人の住人が近づいた。
「ああそうだ。
誰が俺達を苦しめたのか。
そして誰が解放してくれたのか。
みんなもう忘れたのか」
住人がそういうと皆は、疑心暗鬼になっていた自分たちを恥ずかしくばかばかしく感じた。
「そうだそうだ。
オーブは、連合だぞ。
そこにいる奴の言葉など信じられるか」
住人たちは、コロニー軍を信じることにした。
女性や子供たちは、その姿に恐怖を感じた。
※
第345遊撃艦隊所属の1機の哨戒していたユーピテルは、敵艦隊を発見し照明弾を撃った。
それは、母艦でも確認できた。
「トリスン機からから信号弾だと?
エンジン全開、位置を知らせ」
艦長が驚きつつ指示を出した。
ここは、コロニー軍の宙域であり一個艦隊で航行など自殺行為以外の何物でもなかったからだ。
「12時の方向からです。
付近でも味方艦隊が地球軍艦隊と交戦しマゼラン一隻を大破に追い込まれた情報が入っています」
通信長が最新情報を報告した。
「地球軍は、こんなところでいったい何をしているんだ?
だがこのコースならちょうど我が艦隊は、敵と一直線に並ぶ訳だな。
ユーピテル隊全機発進させろ」
艦長の命令でユーピテルが全機発進した。
※
そのコロニー軍に発見されたネルソン級1隻にホーキンス級2隻の艦隊の前には、アガメムノン級の残骸が浮遊していた。
このホーキンス級はドレイク級のハッチのサイズの問題からストライカーパックを装着したMSは運用出来ない欠点を改善し火力を犠牲にMS搭載能力、運用能力、航続能力、通信能力を引き上げたMS搭載護衛艦である。
その時その残骸の向こうからビームが飛来した。
「発見されたか」
艦長は、想定内の表情だった。
「面舵一杯。
各機、展開を急がせろ」
艦長は、予定通り陽動駒の役割を果たそうとしていた。
※
マン・マシーン隊とモビルスーツ隊は、交戦に入った。
ユーピテルツヴァイのパイロットは、敵機の正体がわかった。
「ウィンダムか」
ウィンダム隊は、上昇するユーピテルツヴァイに四方からトーデスブロックを撃った。
しかし全弾回避された。
まず後方にいた1機を宙返りしながらビームライフルで撃墜した。
体勢を戻すとビームライフルで振り向きざまに敵を撃墜した。
さらに左下にいた敵機もビームライフルで撃墜した。
※
アガメムノン級の残骸から出てきたネルソン級が直撃を受けた。
その衝撃は、ブリッジを襲った。
「目標、中央の船を撃て」
艦長が命じると艦隊は、中央のサラミス級に攻撃を集中した。
直撃を受けたサラミスは、瞬く間に轟沈した。
※
それは、マゼランの艦長も確認できた。
「サラミスがやられただけだ。
ユーピテルは、どうなっている?
攻撃の手は、緩めるな」
艦長は、部下たちに喝を入れた。
なおも両艦隊の間では、激しい砲撃戦が繰り広げられていた。
※
ユーピテルツヴァイが5機目のウィンダムを撃墜すると右上にいた敵機の頭部をバルカン・ポッドで破壊するとビームライフルで撃墜した。
1機のユーピテルは、ユーピテルバズーカでウィンダムを攻撃したが回避されバズーカを投げられたことで生まれた隙を突かれビームサーベルで切られ撃墜された。
「やったな」
僚機のパイロットが仇にユーピテルバズーカでそのウィンダムを撃墜した。
別のユーピテルもバズーカの攻撃を回避しつつユーピテルバズーカで1機のウィンダムを撃墜した。
そのウィンダムの右手の残骸がそのユーピテルに恨めしそうに載った。
6機のウィンダムが1機のユーピテルにシールドミサイルを一斉に撃ったが上昇しながら回避された。
反撃に1機をユーピテルバズーカでウィンダムを撃墜した。
ユーピテルツヴァイは、正面にいたウィンダムを撃墜するとビームサーベルに替えると上空から切りかかってきたウィンダムの攻撃を回避しつつ逆にビームサーベルで撃墜した。
※
ネルソン級が直撃弾を受けたとき戦況は、艦長にも伝わった。
「12機のウィンダムが撃墜?
3分もたたずにか?」
艦長が状況を確認した。
「はい」
オペレーターが即答した。
「遊撃艦隊ににウィンダムが12機も?
化け物か」
艦長は、敵の強さにおびえ切っていた。
※
ウィンダム隊も数に物を言わせマン・マシーン隊を突破しマゼランへの攻撃を開始した。
3機のウィンダムは、見事な編成攻撃で対空機銃を翻弄しながら攻撃を続けていた。
その衝撃は、ブリッジを襲った。
「主砲、まだ敵艦隊を撃つなよ。
この距離では、当てられない」
艦長は、もっと距離を詰めてから主砲を撃とうと考えていた。
※
1機のウィンダムは、敵旗艦に攻撃を加えるのに夢中で背後から接近してくる敵機に気づくのに遅れた。
1機が撃墜された。
「コーネリアス」
僚機が振り向くとその機もユーピテルツヴァイのビームライフルで撃墜された。
相変わらずマゼランンは、敵機の攻撃にさらされていた。
しかしやっと艦隊は、敵艦隊への射撃を開始した。
「敵艦を横に狙う。
それまでは、ミサイルだけで防戦するんだ」
艦長は、T字線を描いて戦おうと考えていた。
※
「いつまでももつか」
ユーピテルツヴァイのパイロットは、1機のシールドを構えているウィンダムにビームライフルを連射した。
最初は、防がれたが2発目から貫通し撃墜した。
※
「嘘だ。
まさかこんな」
パイロットもまさかシールドを貫通されるとは、思ってもみなかった。
「まるでこっちの動きを読んでるようだぜ」
僚機がユーピテルツヴァイの動きを見てそういった。
「まぐれだよ、まぐれ」
別のパイロットがそれを否定した。
※
月起動近くの中継コロニーでは、地球軍艦隊が哨戒していた。
作品名:機動戦士ガンダムRSD 第40話 終焉の始まり 作家名:久世秀一