ぎもん式:春の特別学習
Eパート
落ち着いて再び歩き出したワタシには、もうため息は出なかった。
「でも野生のオオカミを銃で撃ってしまって良かったのでしょうか。」
「実は軍事演習用の模擬弾です。大丈夫です。当たっても打撲程度で済むはずですよ。やこさんも一発受けてみます?」
「いやその…日を改めてお願い致します…」
「見るでござる。桜でござる。綺麗でござるよ。」
「わぁ!!すごい!!」
満月に照らされて、桜が美しく映えていた。
「素晴らしいですね。この種は白妙という桜です。我が校の桜並木と同じ種で……あっ…」
やこさんは急に走り出し、やがて立ち止まった。
「見てください!花ノ森学園ですよっ!」
「拙者達、花ノ森の裏山まで歩いてきたんでござるね。」
良かった……ワタシ達街まで帰ってきたんだ…助かったんだ…
またお姉ちゃんに会える…
「さっ。帰ってゲームの続きやるでござる。」
「ウーカーイーツに怒られるのでこのまま消えてなくなりたいです。」
「さっきまでのチームワーク返してぇぇぇぇ!!!」
作品名:ぎもん式:春の特別学習 作家名:クマーヌ