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みとなんこ@紺
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エンドクレジット

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「…僕に何が出来るのか、考えたよ」
そしてこれからも考える。
「ある人に聞かれたよ。お前に何が出来るのか、ってね。以前はただ毎日を生きるのだけで、自分の周りの世界に合わせるだけで必死で、精一杯だったから。きっとたくさんのものを取り落としてきた。だから、今はちゃんと考える」
でもね。
「これは全部、この世界にきてからはじめてやった事なんだ」
流されるのではなく、自分の意思で選んで良い事だと、ここにきてはじめて知ったから。
向こうの、自分のいた世界にいるより、少し色んな事が出来て、今まで知らなかった色々な事を経験して。
必要としてくれる人がいるから、残りたいと思った。
「だからここで考える。後悔はしない。したくない。・・・選びたいよ。いや、選ぶよ」
トウヤはそう言えばね、と続けた。
「この間、君が持っていた本。あれ、フラットにもあったんだ。――――その頃僕はまだこちらの字が全く読めなくてね。結局その時ソルに冷やかされた通り、キレイに忘れていたんだけど」
自分がその御伽話に出てくる主人公と同じモノだと知らされただいぶ後で、一度だけ開いてみた事がある。
「・・・御伽話は、だいたい『めでたしめでたし』で終わるよね」
僕のいた世界でもだいたいはそうだった。そう言って彼は少し目を伏せた。
現実はそうは行かない事だらけだと、よく知ってる。
キレイな話の裏に隠された、表だって知られる事のない舞台があり、語られる事のない重い事実があるという事を、この目で見てきた。
そしてきっと、これからも見ていく。
目を逸らす事は、しない。逃げだす事もまた。
「・・・何だか話はピンと来なかったけど、そこだけはいいな、と思った」
まぁ、伝説になんかになる気はないけれど。
「僕ら自身が紡ぐ物語は、皆でめでたしめでたし、で終わらせるよ」








静かな、だけど強い何かを秘めた響きだった。
ストン、とその言葉は胸に落ちてくる。
ああそうだ、本当に。
その、譲れない気持ちは分かる。
自分もそうだ。彼も、そして皆もきっと。
誰にでも平等に、いつかくるその時に、笑える自分であれたら、と。