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機動戦士ガンダムRSD 第42話 放たれた大罪

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それは、人間だけでなく野良猫も同じで爆心地から逃げようとしたが逃げ切れるわけなく猫は焼け死んだ。
高温が襲った後は、衝撃波が襲ってきて有名な城砦を破壊した。
さらに聖ニコライ大聖堂も衝撃波で完全に破壊された。
樹木も根元から吹き飛ばされた。
この時間は、ちょうど授業中で学校では衝撃波で吹き飛んだガラスが児童・教員関係なくすさまじい速度で突き刺さってきた。
ガラスだけでは、ない。
岩や木材などが容赦なく人々に突き刺さってきた。
小さい車などは、軒並み吹き飛ばされ爆心地から離れた重ダンプトラックさえ移動させるほどであった。
家にいた家族は、崩れる家からの脱出を試みた。
バルコニーにいた人は、衝撃でバルコニーから落ちてしまった。
焼け死ななかった少年は、衝撃波で吹き飛ばされた。
爆心地には、核爆弾をも凌駕するほどの巨大なキノコ雲ができていた。
 衝撃が収まった後全身がただれガラスの破片が突き刺さってもなお生き延びた者たちは、喉の渇きを潤すため水辺に急いでいた。
馬車をひく馬も全身を焼かれ息絶えた。
火事が起きている場所では、がれきの下敷きになりながらも生き延びた者たちが必死に助けを求めていた。
防火水槽には、多くの人々が顔を突っ込んでいた。
さらに近くの川には、多くの生存者が水欲しさに川に飛び込んだ。
「離すんじゃないぞ」
 生き延びた父親は、子の手を決して離さないようにしてた。
しかしわが子や周りの人々は、次々に沈んでいった。
「どうした?」
 するととうとう父親すら沈んでいった。
周辺の水は、コロニーレーザーの熱により熱水になっており感覚を失った生存者たちはそのことに気づかず重度のやけどに熱水を全身に浴びる形になってしまった。
そのためそれがとどめになり次々と息絶えてしまった。

                                ※

 コロニーレーザーにガンダムエンペラーが到着した。
サイジョウ元帥は、指令室に入るなりサオトメの胸ぐらをつかみ付き飛ばした。
「貴様、自分が一体何をしたかわかっているのか?」
 サイジョウ元帥が怒鳴りつけた。
「地球の大量破壊兵器の矛先は、ユート・シティーとその周辺コロニーだったんです。
アイリスに俺と同じ苦しみを味わってほしくないし戦後のナチュラルとコーディネイターの関係改善を第一に行動できるほどできた人間でもないんです」
 サオトメは、涙目になりながら訴えた。
(こいつは、このことを予見していたのか?)
 サイジョウ元帥は、胸ぐらをつかんでいる手を離しながら心中で言った。

                                 ※

 デュランダル大統領が演説を始めた。
「今私の中にも皆さんと同様の悲しみと怒りが渦巻いています。
何故こんなことになってしまったのか。
考えても既に意味のないことと知りながら私の心もまたそれを探して彷徨います。
私達は、つい先年にも大きな戦争を経験しました。
そしてその時にも誓ったはずでした。
こんなことはもう二度と繰り返さないと。
しかしその努力も虚しくまたも戦端が開かれ戦火は、否応なく拡大して私達はまたも同じ悲しみと苦しみを得ることとなってしまいました。
本当にこれは、どういうことなのでしょうか。
愚かとも言えるこの悲劇の繰り返しは。
一つには先にも申し上げたとおり間違いなくロゴスの存在所以です。
敵を創り上げ恐怖を煽り戦わせてそれを食い物としてきた者達。
長い歴史の裏側に蔓延る死の商人達です。
だが我々は、それを滅ぼすことができませんでした。
だからこそ今敢えて私は、申し上げたい」
 それにサイジョウ元帥とサオトメも気づいた。
「始まったな」
 サイジョウ元帥が言った。
「はい」
 サオトメがそれに答えた。
「我々は、今度こそもう一つの最大の敵と戦っていかねばならないと。
皆さんにも既にお解りのことでしょう。
有史以来人類の歴史から戦いのなくならぬわけ。
常に存在する最大の敵。
それは、いつになっても克服できない我等自身の無知と欲望だということを」
 その言葉にマユ大佐、ルナマリア大尉とステラ少尉はおろか一般市民さえ戸惑っていた。
「地を離れて宇宙を駈けその肉体の能力と様々な秘密までをも手に入れた今でも人は、未だに人を解らず自分を知らず明日が見えないその不安。
同等にいやより多くより豊にと飽くなき欲望に限りなく伸ばされる手。
それが今の私達です。
争いの種は、全てそこにある」
 サオトメは、デュランダル大統領に恐怖を感じていた。
「だがそれももう終わりにする時が来ました。
終わりに出来る時が。
我々は、最早その全てを克服する方法を得たのです。
全ての答えは、皆が自信の中に既に持っている」
 皆がその方法を聞こうと注視していた。
「それによって人を知り自分を知り明日を知る。
これこそが繰り返される悲劇を止める唯一の方法です。
私は、人類存亡を賭けた最後の防衛策としてデスティニープランの導入実行を今ここに宣言いたします」
 デュランダル大統領がデスティニープランの導入実行を宣言した。