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機動戦士ガンダムRSD 第42話 放たれた大罪

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(季節が春に調節されても僕らの日々にそう変化は、なく僕は相変わらず応用編に入ったマイクロユニットの課題に振り回されてアスランはそんな僕に振り回されて怒ってばかりいた。
本当にアスランは、僕には怒りんぼだよね。
他の子には、そんなことはないのに。
というかあんまりしゃべらないしルックスがいいからラクス・クラインという許嫁がいるにも拘わらず女の子たちは、そんな彼にファンクラブを作っている。
しかもそのラクスさんがまた綺麗な人だから余計頭に来る。
ファンクラブの皆に言ってやりたい。
『アスランは、すっごくうるさいやつなんだ』と。
でも僕が何を言っても女の子たちは、信じないけど)
 キラは、アスランに憧れと嫉妬を持っていた。
「今度は、俺を当てにするなよ」
 アスランが忠告した。
「わかってるよ」
 キラは、自力で作ると言った。
(アスランがそういうのは、いつものことだし僕がそう答えるのもいつものことだ。
でも最後には、助けてくれる。
それがずっといつものパターンでずっと続くものだと思っていた)
 キラは、戦争の有無など関係なくこの生活が続くと考えていた。
「え?
アスランも引っ越すの?」
 キラがカリダに確認した。
「そう。
今日お母さんがあいさつにいらっしゃってそういったの」
 カリダが残念そういった。
「決定なの?」
 キラは、食い下がった。
「地球にいるお父さんが心配しててもうずっと来いって言われてるんですって。
仕事を理由に延び延びにしていたらしいけどそれもひと段落したから」
 カリダが言い聞かせるように言った。
「そんな」
 キラは、親友との別れの悲しさとともに課題をどう乗り切るかを考えていた。
「寂しくなるわね、キラ
アスラン君とは、ずっと一緒だったですもの」
 カリダも息子が遠くへ行ってしまうような感覚だった。
「アスラン」
 キラは、部屋に飾ってあった2人の写真を見た。
「うちもいよいよ本気で考えなくちゃいけないわね」
 カリダも引っ越しを本気で考え始めた。
(いくら仲がよくたって兄弟みたいに育ってきたと言ってもアスランと僕は、別の家の子だ。
引っ越すのであれば離れてしまうのは、仕方ない)
 キラも子供では、ないため現実を受け入れようと必死であった。
桜並木でキラとアスランは、向かい合っていた。
ちょうど満開の時期であったため風が吹くとパラパラと花弁がアスランの肩や頭に降っていた。
「これ」
 そういうとアスランは、1体の緑色の小さなロボット鳥を出した。
「アスラン」
 キラは、本当にアスランが作ってくれるとは思っていなかったので驚いた。
「首傾げて肩に乗って鳴くし飛ぶよ」
 アスランは、キラの要望をすべて満たしていた。
(びっくりして顔をあげるとアスランは、笑いながらそういった。
ぼんやりと手を差し出すとトリィは、僕の掌にちょこんと移ってきて鳴いた)
 キラは、これがアスランの遺品になるんじゃないかと内心心配していた。
「本当に戦争になるなんてないよ、地球とコロニーで」
 アスランは、キラに言い聞かせるように言った。
(僕は、きっと泣きそうな顔をしていたに違いない)
 キラは、アスランの声質と言葉で自分がどんな顔をしていたかを想像した。
「避難なんて意味ないと思うけど」
 アスランは、一時的に地球に「遊びに行く」感覚だった。
(それを何とか止めたかったのかな。
アスランは、僕をなだめるようにずっと小さく笑っていた)
 キラは、アスランの意図に気づいていた。
「キラもそのうち地球へ来るんだろ?」
 アスランは、キラも自分を追って地球に来ると信じていた。
(でも僕は、地球に暮らしたら軍に入隊されるかもしれなかったらオーブ連合首長国の難民コロニーのヘリオポリスに移住することになった。
ヘリオポリスに移住に移住したことは、手紙で知らせたしアスランと再会できて『課題は、ちゃんとやってたか?いじめられてなかったか?』と僕のことを心配してくれるに違いないと思っていた)

                                  ※

 今キラ准将は、アスラン准将のベッドの上で丸く座っていた。
(そのアスランは、もういない)
 目の前には、アスラン准将の遺品がまとめられていた。

                                  ※

 リーン・ホースJr.の艦内では、サオトメがサイジョウ元帥に食い下がっていた。
「どうか御再考を」
 サオトメは、そういうとサイジョウ元帥に頭を下げた。
「確かアイリス曹長の両親は、ブリュタールに住んでいたな?」
 サイジョウ元帥は、サオトメの肩に手をのせるとそう言った。
「はい」
 サオトメが答えた。
「あの攻撃でもしかしたらブリュタールも被害を受けていたかもしれない。
そういう心配を持つなとは、決して言わない。
しかし現状お前の感覚だけでさらなる規模の軍人を動かすのは、無理だ」
 サイジョウ元帥は、サオトメに言い聞かせるように言った。
サオトメの懸念は、サイジョウ元帥も持っており地上部隊にコロニー攻略と同時に改めて大量破壊兵器捜索を行ったが見つけられなかった。
「わが艦隊は、これからコロニーレーザー発射司令部に向かう。
そこで司令官に任命後は、俺たちに任せてお前は結婚式場やウエディングドレスなどを選んでおけ。
すぐに嫁さんも来るから」
 そういうとサイジョウ元帥は、笑いながら去った。

                                   ※

 α艦隊は、コロニーレーザー発射司令部に到着しサオトメは指令室に案内された。

                                   ※

 地球から巨大レーザーが撃たれるのを感じた。
刹那サイジョウ元帥は、マン・マシーンデッキに急いだ
「止めろ、サオトメ。
撃つんじゃない」
 サイジョウ元帥は、決して聞こえないがサオトメに呼びかけた。

                                   ※


 それは、サオトメも気づき自分の懸念が的中していたと確信した。
「コロニーレーザー発射だ。
目標、旧ロシアのイズボルスクだ」
 指令室にいた皆は、当初戸惑ったが副司令官の相槌で発射シークエンスに入った。
「発射」
 コロニーレーザーが地球に向けて発射された。

                                   ※

 コロニーレーザーのビーム砲が旧ロシアのイズボルスクの地表を貫きそこの地下に隠されていたレクイエムを破壊した。
ユーラシア連邦は、イズボルスクの地元民を生贄にコロニー直接攻撃を実施しようとしていた。
しかしサオトメによってそれは、防がれたが地元民の死は避けられなかった。
高温の熱は少女が持っていた風船と服を一気に燃やし次いで身体を焼けこげた。
青年も同じで帽子もかばんも瞬時に消滅し倒れた衝撃で目玉が飛び出し融けた。
杖を突いた老人は、高温と衝撃で瞬時に首がもげてしまった。
ベビーカーを押していた母親は、自身が高温で焼ける苦痛に耐えながら赤ん坊をかばったが無意味であった。