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宇宙に虹、大地に黄昏

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この間にギラ・ドーガまで肉薄してきているのを視認したのだから、3機のジェガンは牽制行動などは諦めて、回避運動に移ることを余儀なくされていた。
それが、つけいる隙になる。
ようやく合流してきたフォルティスとジャックも含めて、一気に前進した。
装備の都合上、接近戦の方が有利だからだ。
その中、援護が仕事であるはずのジャック機が前に出た。
リディア一人に前衛はやらせないという直接的な思いが、行動に移させている
のだ。
そんな動きを迂闊と見て、ジェガンはジャック機に狙いを定めた。
ビーム・サーベルを発振させ、ジャック機に体当たりを敢行したのである。
2つの機体が接触し、激震を発生させて流れる。
ジェガンはそのままジャック機に追躡、肉薄してライトアームを溶断した。
「ウワーッ! なんだ? どうなったんだ!?」
肩部に直撃を受けたジャック機は軽くスパークを起こし、コクピットに大きな衝撃を与えていた。
他のジェガンもこれを好機とみて、攻めに転じていた。
だが、戦場では運と実力がものをいう。
つまり、フォルティスがその隙を見逃すことはなかったのである。現に、機体の推力を急上昇、核融合炉の限界まで加速をかけさせていた。
そして、ジェガンの頭上から奇襲をかける。すれ違いざま、ビーム・ライフルからサーベルを発振させ、ボディを両断した。
直後、両断されたボディは爆散、肢体が吹き飛んだ。1機撃破である。
「こんな状況が続けば、いずれ死ぬだろうな・・・」
このヒット・アンド・アウェイの戦法はフォルティスの得意とするところなのだが、その危なさは自覚していた。
それでも離れることを考えないのは、危なさを容認しているからだ。
だから、その勢いは殺さずに、次の目標に狙いを定めていた。
作品名:宇宙に虹、大地に黄昏 作家名:アスキー