宇宙に虹、大地に黄昏
プレアデス
フォルティスが招待されたのは、中央に長方形のデスクがあり、鉄板で構成された内壁をもつ、質素な部屋だった。
おおよそ、会議室といったところであろう。
部屋の奥に立つ男は、手にしたディスプレイに目を通しつつ、部下らしい男に指示を出していた。
彼はフォルティスが入室したのを視認すると同時に、早急に退室するようにと命令を付け足したようだった。
「君がマイア君だな?周知かも知れないが、私はレインズという。わがレジスタンス、プレアデスの実質的な代表をやっている」
さすがのフォルティスも、この男は知っていた。
彼は、年齢による貫禄もあってかジオンの高官だったとか、軍に太いパイプを持っているとか噂されていた。
実際、こうして目の当たりにすれば、壮気を持ちつつも厳格な顔立ちが印象的であるし、ネオ・ジオン将校の制服を着ているのだから、納得がいった。
武人というのが現代に存在するのであれば、こうなのであろう。
「彼女はルミナ・エレクトラ。人事や経理関係の担当だ。こんな小規模な集団でも管理というのが必要でな」
レインズは、自分とフォルティス以外で部屋に唯一残ったローティーン風の少女を紹介した。
彼女はレジスタンスにはとても似つかないほどの小柄で、神経の過敏さを感じさせた。
作品名:宇宙に虹、大地に黄昏 作家名:アスキー