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清川@ついった!
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全部、夕焼けのせいにすればよかったんだ

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暫くして、雷蔵に向き直った三郎の顔は困った様に笑っていた。目尻が薄く濡れている様は雷蔵には見えなかった。闇が二人を包んでいる。まだ慣れない目が、三郎を朧げな輪郭線だけで捉えていた。夜で良かったと雷蔵は思った。昼ならば、どうしてもこの沈黙が日にさらされて、しまう。夜は、そう言った物を全て包み込んでしまう様な安心感があった。そうでなければ、その全てを雷蔵は受け止める事が出来なかっただろう。
雷蔵は、自分の頬に溢れそうな涙を、必死で抑えていた。泣いても、変わらない。もっと、三郎を可哀想な人にしてしまう気がする。
闇が、薄くなる。雷蔵の慣れた目に、三郎の潤った黒目が自分を見つめていた。
「あの時、夕焼けなら、よかった。そしたら泣けたのに。」
(そうしたら、全部夕焼けのせいだからだって言えたのに、)
項垂れる様に肩を落とした三郎の重みが、雷蔵にのしかかる。雷蔵は片手で受けると、空いた手で三郎の頭を撫でる。汗の濃い匂いがした。菜の花の青い匂いは、二人の汗の匂いで、かき消されてしまっている。
「帰ろうか」
雷蔵は寄せた頭の重みを腕の中で感じながら、静かに泣き始めた三郎の背を優しく擦ってやった。