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炬善(ごぜん)
炬善(ごぜん)
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CoC:バートンライト奇譚 『毒スープ』前編(上)

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これまでのあらすじ




【※バートンライト奇譚「盆踊り編」「猿夢編」及び、CoCシナリオ「パパンがそーれっ 盆踊りだョ!全員集合」(byうえ様)「きさるぎ駅」(by 芥様)のネタバレを強く含みます】


●盆踊り編

『バートンライト あなたは英雄ではありません
弁えぬ者を待つものは 無となりましょう』

 不思議な声に導かれるように、冒険家教授バリツ・バートンライトが目覚めた場所は、《尾取村(おどりむら)》とよばれる山奥の村だった。正気を失った村長は盆踊りに擬態した邪悪な儀式を実行し、《ヨグ・ソトース》と呼ばれる邪神の降臨を企んでいたのだ。

バリツと同じく怪異に巻き込まれたのは、彼の専属スタッフであるタン。陶芸家の斉藤。そして――しばしばバリツの邸宅に侵入していたらしい謎の狂信美少女アシュラフ。

 自分達が、邪悪なる神の生贄として召喚されたことを知った4人は、奔走。
 紆余曲折の末、村長の企みを阻止することに成功し、無事に帰路についた。

 バリツは現地で回収した《ヨグ・ソトース》の呪文書を懐に、これは始まりにすぎないのではという予感に囚われる。

※セッション元シナリオ
「パパンがそーれっ 盆踊りだョ!全員集合」byうえ様



●猿夢編

 「尾取村」の怪異から数ヶ月後。

 バリツ邸のキッチンを爆破し、食物を物色する謎の少女アシュラフに冒険家教授は逡巡の末「君は何を信仰しているのか?」と問う。アシュラフはただ「知りたいのですか?」と笑み、かつてないオーラと共にバリツに詰め寄るが、タンの闖入を受けると立ち去ってしまった。

数日後、旧知の仲であるオカルト雑誌記者の誘いを受け、喫茶店に集うバリツ、タン、斉藤。そして元戦場カメラマンの冷徹な新聞記者バニラ。
彼らはそこで吹き込まれた《猿夢》の都市伝説の魔力により、怪異の世界に囚われることになった。悪夢の列車や、この世ならざる《きさるぎ駅》で、四人は人語を解する猿たちに命を脅かされるが、彼らはなんと斉藤と不思議な絆で結ばれた存在だった。

そして、四人の窮地を救ったのは、明らかに場違いな、しかしながらただ者ならざる雰囲気を纏う謎の《幼女》だった。

真なる黒幕「ミ=ゴ」に利用されていたにすぎなかった猿たちは、より凶悪な機械兵士たちによって粛正されてしまった。四人は唯一生き残った猿エリックの助力を受け、生還を果たす。エリックはバリツに「オマエ、何かに魅入られてイルぞ。セイゼイ用心するコトだな」と意味深に忠告し、去ってしまう。

現世への列車に乗り込んだ彼らを先導するのは、まるで駅長ごっこを楽しむかのような《幼女》だった。

 その後日――。
自身が体感した死の恐怖を振り返るバリツは、事の発端である都市伝説を吹き込んだ旧友からの電話に憤る。ところが話を聞いてみると、彼は路上で「全身を機械めいたもので覆った毛皮臭いなにか」に襲われ、重傷を負っていたという。彼が語ったのは、夜闇に舞い、銃を放ち、自身を窮地から救った何者かの目撃談だった。

呆然とするバリツが小さな狂信少女に思いを馳せて間もなく、またもやキッチンの爆発音が轟いた。

※セッション元シナリオ
「きさるぎ駅」by 芥様