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宇宙に虹、大地に黄昏 2巻

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収容作業が難航すると思っていたダーシーは、片手の指の数ほどの機体が整然と並ぶ中、寝かせられた状態のモビルスーツがあるのを視認して、急ぎ足になった。
その機体の周囲は銃をもった兵士でかためられて、脇には両手を上げたパイロットスーツ立っていた。
その決して大きくはないパイロットスーツは、少し無理に身体の幅を大きくみせている気がした。
ダーシーにしてみれば、こいつは若いんじゃないか、となるのだが、その可能性は捨て去っていくことにした。
司令官である自分は、迷ってはいけないのだ。
しかし、その意気込みは、裏切られることになる。
パイロットスーツの影から、小型電気自動車・エレカの全高にも満たないような背丈の子供が姿を表したからである。
この光景は、緊張の面持ちでライフルを向けていた兵士をも、ひどく擾がした。
中には、銃口をそらしてしまう兵士もいたようだった。
ここまでの油断が判断の鈍化を招いて、最初に登場したパイロットスーツは、いまだにフリーだった。
「おい!なにをやってる」
すこし距離をとって諦視していたダーシーが叱責すれば、兵士たちはようやっと覚醒したかのようにして、2人を連行していった。
(こればかりは、予想がつかなかった・・・困ったな・・・)
ダーシーは少し遅れて動揺していた兵士たちと同じ気分を味わってしまって、誰を責めることもできなかった。