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宇宙に虹、大地に黄昏 2巻

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旧世紀の最後の一世紀で急増した人類は、人口のはけ口を求めて宇宙へと進出
した。
しかし、地球ほど豊かではない第2の大陸で人口増加が継続されることはなかった。
旧世紀の時点で、自動化により極度に少ない人手によって生活を整えられる環境の整備が進められていたのだが、それは移民政策により地球の生活圏を縮小することで、予定よりも大幅に早く完成されることになった。
金と資源だけをもつ地球と、膨大な頭数と技術だけをもつ宇宙という構図が成立
したのである。
その状況で移民は技術を売るしかなくなったのだが、移民に手間のかかったものを利用する余裕は失われ始めていた。
そのため、特権階級とのパイプをもつ一握りの人間が市民を支配して、軋轢を生じさせたのである。
こんな棄民政策から一世紀も経過すれば、若年人口は稀薄になり、圧倒的な供給を前に需要は減っていく一方であるというのは言うまでもない。
それはやがて収束をみせるものだが、失態の影響が全世界に波及している以上、
取り戻すのには相応の時間を要し、その間も増えすぎた人類を生活させていくほど労働の場があるわけではないというのが現状である。
このフロンティアⅡも例外ではなく、その影響を大きく受けたコロニーのひとつであった。
人々が苦難を乗り越え移住をしたと思えば、それは貧民街と化したのである。