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宇宙に虹、大地に黄昏 2巻

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「デモ活動か・・・?」
ピングリーが退室しようと踵を返したところで、窓ガラスの外から、数人の、消えかけた蛮声を耳にした。
「やらせておけばいい。暴動を起こす連中というのは、常に反対するものを探して運動しているのさ。それが仕事だと言えば聞こえはいいが、つまるところフラストレーションの解消なんだよ」
「しかし、その仕事を防止して、安全を守るのが兵士の務めだろう?」
「いつも出動してたら、埒があかないよ」
「ああ・・・慣れというのは怖いものだな・・・」
ピングリーは、体制に意見しても誰にも見向きされないような立場の人々に、寂しさのような憐憫をおぼえた。
同情がおこる余地があるというのは、相手と立場的にかけ離れていないことを意味していた。
しかし決定的に違うところは、公式的な立場にあるものは、縛られたり、糾弾されてばかりで動きづらいものだ、と思うところなのである。
対して、罷業をおこす人々というのは、理由をもって攻撃するものだが、必ずしも正当性が内在しているとは限らない。
理不尽を受けている、と考える者ほど、自らを杓子定規として、理不尽をまき散らすことがあるのだ。
おおむね自由に動くことができるし、責任が存在しないからである。
それを独善的というのは簡単だが、元凶を辿るならば、文明、やがては現代社会に生み出された哀切なのであり、謂わばモンスターであった。