宇宙に虹、大地に黄昏 2巻
ベースジャバーの内部には、飛行機と同じタイプの座席や便宜上シャワールームと呼ばれるものがあったので、あまり不便はなかった。
大抵、こういう哨戒艇もどきには、薬局で手に入るような消耗品や、掃除用具などの余計なものまで入っている倉庫があるものだ。
重量帯が無いことを除けば、古い資源衛星での生活と然程差異はないと感じた。
そのため、普段はそちらで生活していたのである。
しかしスペースコロニーと、それを取り囲んで銃を向ける、ひどく古いジオン製の機体を視認してしまって、穏やかな時間は打ち切られた。
それでフォルティスがコクピットへ飛び込んで、ベースジャバーとモビルスーツを繋ぐ通路であるチューブをしまうころには、ノーマルスーツも着ないルミナがコクピットまでついてきてしまっていたのだから、もう不本意ながら同乗させるしかなかったのである。
作品名:宇宙に虹、大地に黄昏 2巻 作家名:アスキー