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宇宙に虹、大地に黄昏 2巻

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一方、味方の惨状を視認した二機のジオン・タイプは、ひどく当惑して、モビルスーツを硬直させていた。
簡単には動けない連邦機も、これには射撃をしてみせて、そのうちの一機を
爆発へと変貌させることに成功していた。
最後のドム・タイプがライトアームの上腕部分に損傷を受けたと気付いたのは、この一拍ほど後のことである。
損傷箇所はビームによって熔解し、その下はどこかへと吹き飛んだようだった。
アームとともに武器を失ったことで、どこからの攻撃かも確認しないほどにパニックになってしまったパイロットは、一目散に後退をかけた。
それを遠目に見送ったリゼル・タイプは、全力で動作させていた心臓をしばし休ませて、
四肢の力を抜いた。
それからモビルスーツの両手を左右にひらかせて、ライフルなどは空間を滑らせるようにした。
これから起こることを考えれば、それがいい。
体を休ませるにしても、武装を解除するにしても、これが最善であった。
ずっと睥睨していた連邦軍のモビルスーツは息つく隙を見て、3機を使ってリゼル・タイプの機体に取り付いてきた。
その塊はゆっくりと移動を始めて、港口に入っていくようだった。
一連の動作は予想よりもずっと手際がよくて、現実に連れ戻される気分になった。
不安がくるのは、このあとである。