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宇宙に虹、大地に黄昏 2巻

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直後、周囲を固めていた機体にメガ粒子がかすめた。
突然の介入者の存在に、ジオン機達が周囲へと目を光らせたが、そこには緊張の固さが
見て取れるようだった。
ほんの一拍であったが、ひどく長い刻。
それが過ぎた刹那、宇宙空間を漂う『何か』の残骸の陰から
閃光が飛び出し、光の帯を引いた。
その動きにスクランブルをかけた一機がザク・マシンガンで威嚇をしつつ接近をする。
これに応じるかのように、飛び去った機体がまたデブリに隠れた。
ジオン・タイプは老体に鞭打つように臨界ちかくまで加速をかけさせて、
積極的に弾丸を宙へと撒く。
しかし、あまりの反応の無さにしびれを切らしたジオン・タイプは、
ジグザグと左右上下に機体を振って、残骸の浮く宙へと牽制をして見せる。
ここまで来れば、結局モビルスーツの十八番、接近戦に変化する。
特異な事柄があったとすれば、それは一方的だったことだ。
回避運動の如き機動をみせていた機体が爆散し、沈黙したからである。
これは、残骸に隠れ込み、慣性運動で流れてレーダーに誤認させたリゼル・タイプが、
追手を撃ちぬいたことに起因した。
こうして、リゼル・タイプだけを残して、宙域は沈黙した。