古代人とクロノトリガー
「もしかして未来だったりして。
ルッカ
「それだとワクワクするわね
扉の外にはフロアが広がっていた。フロアの壁も硬い人口壁で覆われていて、地震ではとうていびくともしない設計だろう事が伺える。
しかし、床や天井や壁の錆はさっきの部屋よも遥かに酷いあり様で、湿気やカビも壁面にこびり付いている。
フロアの先からら階段が見え、外に出られる。出口には仕切りも扉もなく、そこから風雨にさらされ、内部は汚染されている様子だ。
外に出ると今いた施設がドーム型の構造だったのが分かる。天井は透明なアクリルで覆われている様子で、内部に太陽光パネルが設置されている様にも見えた。
外は乾燥した大地が広がるも砂埃が視界を遮る程であり、息をするのもままならなかった。
深呼吸をすれば肺に砂が入り、病気になりかねない。
「ゲホゲホ、やばいよこれ」
三人とも袖口を口に当てて喋ってるから聞き取りにくい。、また上手く喋れても、砂荒らしが
三人の声をかき消した。
ルッカのメガネは砂まみれで使い物にならなくなった。
クロノ達はゲートのあった部屋に一旦戻って話し合った。
マール「どうするの?
このまま元の時代に帰る?
ルッカ
「もしこの世界が未来なら、この惨状の原因を
知っときたい気がする
ルッカはスペアの眼鏡を取り出してかけた。
ルッカ
「クロノ、ちょっと先行って見てきてちょうだい」
ルッカ
「男なら言われる前に率先して行動するものよ。」
クロノは息を止める用に、小さく息をしながら走り出した。少ししするとコンクリートの地面、道路を見つけた。
息をすると口に砂埃が入る。
息を止め道なりに進むと、遠くに建造物が見えた。
息を止めて走って辿りつけるかは微妙な距離。ルッカのメガネ問題を考えると、手をとって連れて行くには無理かありそう。
クロノは一旦、二人の元へ戻って事情を説明した。
ルッカ
「私は大丈夫よ。ヘルメットをマスク代わりにするから。」
マール
「私も大丈夫。袖をマスクにするから。」
三人は道なりに進んだ。
砂埃による遠近感でクロノは錯覚していたが、建物は息を止めて走って行けるような距離にはなく、3km程離れていた。
先程と同じく、ドーム型の施設であるが、大中小、幾つも施設が複合してできてる。大きさも先程の数十倍の大きさはある。
先程と同じく階段があるものの、雨風を凌ぐようにバリケードで塞がれている。バリケードといってもビニール状の様な簡易的なものである。
誰か人が住んでるかもしれない。
クロノ達は階段を登ってバリケードの奥へと行った。
みすぼらしい姿をした人々がクロノ達を一斉に見ていた。
「お、まえさんたち、どこからきた?」
老人の一人が声をかけてきた。
ここから南の方角からだと応えると
「ここから南? あそこは設備も壊れて物資も全て無くなっとるはず。そなた、どうしてそのところから」
顔色と身なりの良いクロノ達をまじまじと見つめる人々。
マール
「一体何かあったんですか?」
人々は、期待を裏切られたようにがっかりした。気の抜けた表情のまま座ってうつむいた。
栄養失調。マールの質問の意図を理解することも、また応える元気も無いようだった。
「てっきり、そなたらが物資の豊富なシェルターにて、我らを救援に来てくれたと思ったんじゃが…」
マール
「食べ物がないの? 全く?」
「あると言えばあるんじゃが…」
老人はフロアの奥の方を指さした。
「ドーム内の設備が故障していて、セキュリティシステムが作動しているんじゃ。その先に、恐らく食料物資があると思うんじゃが…」
マール
「ねえ? クロノ、私達でとってきて挙げましょうよ。
ルッカ
「そうね…みんな体を動かせる状態じゃないみたいだし…
フロアに入る者を察知して、レーザービームで攻撃してくるドローンが少なくとも2体。当たったら火傷するレベルであり、何らかの防護服が
なければ先へ勧めない。
仮に防護服があってももう一体の巨大な機械が奥に一体待ち構えてる。縦5m横が5mはあろう機械が奥への道を完全に塞いでいる。
どの様な攻撃をしてくるのか考えるだけでもぞっとする。
ダッシュでレーザービームを避けても、あの大型機械をなんとかしないといけない。
クロノ達はサラ達から教わった魔法を使ってみるも、どういう訳か魔法が飛び出さなかった。
マール
「おっかしー、、どういう事だろう?
ルッカ
「魔法がどいった仕組みで使えていたのか不明だけど、この世界に魔法を使えなくさせる原因があったりするのかも
クロノ達は情けなくも諦めるしかなかった。
シェルターに残される人々が気になりながらも、話しかけるのもままならない空気。
「ええんよ、ええんよ、無理せんでも…」
老人はクロノ達を気遣った。
マール
「このドーム以外にも人はいるんですか?」
「なんとも言えんのう。北の廃墟を抜けた先には人がいるかもしれんが、あそこは不良の溜まり場になっているから、行くのは危険じゃぞ」
不良の溜まり場とはいえ、食料も得られない荒廃した世界では敵ではないだろう。不良に恐れるクロノ達ではなかった。
「おい、俺様をナメてると轢き殺すぞBABY
不良のリーダーは下半身とバイクが合体している。いわゆるサイボーグだった。
このサイボーグの舎弟達と思われるのが10人以上いて絡んでくるが、舎弟達はロボットそのものだった。音声機能はなさそうで言葉は発しないが、視線で睨んでくるのが判った。
鋼鉄の硬いフォルム、戦っても無駄な争いになるのは一目瞭然だった。
ルッカ
「興味深いわね。意識体をそのまま機械の中に入たのね…。電波でコミュニケーションをしているから音声会話の必要性がなく、その分のシステムが簡略化されているのね…」
ルッカはジロジロと不良ロボットを観察していた。
ジョニー
「俺が、認めるのは唯一スピードのみだせ!
この道通りたかったら、俺と勝負するか、カネを払えBABY」
ルッカ
「私達、聞きたいことがあるのだけど、今って西暦何年なの?」
ジョニー
「俺が、認めるのは唯一スピードのみだせ!
この道通りたかったら、俺と勝負するか、カネを払えBABY」
ルッカ
「……この世界が荒廃しているのは一体なんで?
ジョニー
「俺が、認めるのは唯一スピードのみだせ!
この道通りたかったら、俺と勝負するか、カネを払えBABY」
ルッカ
「あんたバカなの?
ジョニー
「俺が、認めるのは唯一スピードのみだせ!
作品名:古代人とクロノトリガー 作家名:西中