■ジャキのタイムトラベル
慈悲深さを知ったラヴォスは、自分のせいで恐竜人が絶滅した事を悔やんでいた。
氷河期が来る前に、恐竜人をタイムマシンに乗せ、未来へ連れて帰る計画をたてた。
ラヴォスとその研究者達は恐竜人をどうやって管理するかを悩んだ。
教育や職業を割り当てるにしても、課題は多くある。
ひとまず、軍人として雇い、国の防衛に当たらせる事にした。
天空都市を浮かせる機械。そこを壊されると困るシステムになっていた。
これまではロボットによるセキュリティシステムを配備していたが、常駐してロボットをメンテナンスする者や非常時に動ける人材がいなかった。
地殻に眠るラヴォス達から効率良くエネルギー取り出す為に、掘削作業員も必要だった。
ラヴォスを目覚めさせない様に監視したり、部外者を排除する為の人材が必要だった。
恐竜人にそれらの仕事を与える為、ラヴォスは奮闘した。
〜DC600〜
ジャキはタイムマシンにて、中世の世界を見てまわった。
ソイソーはデナドロ山で修行をしていた。
グランとリオンの精霊に戦いを挑み鍛錬していて、デナドロを住処にしている魔族はソイソーの剣技に憧れを持ちソイソーに弟子入りしていた。
マヨネーはパリポレの村で人間に化けて男をはべらせていた。
ビネガーは人材集めの為、二人を誘うが、二人は人間との争いに興味を示さなかった。
落ち込んでいるビネガーにジャキは声をかけた。
「お、お前はまさかジャキか?」
ビネガーの視点においてジャキは突然消えた存在。20年間行方不明扱いにされていた。
「一体今までどこに…。いや、それより20年も経っているのに姿が変わってない??」
「とにかく、戻ってくれたのだな。さあ、一緒に人間界に攻め込もうではないか!」
「え! 断る!? 突然居なくなって申し訳ないから、挨拶だけはしとこうと思ってやってきただと!?」
「恩知らずがー!」
ビネガーはキレてジャキを襲ったが、返り討ちに。
ジャキ「いい忘れたがオレは人間だ。魔法が使える少し変わった人間なんだ。人間を甘く見ない方がいいぞ…
」
ビネガー「人間…に負けたのか? 私は…
ジャキ「人間に勝てないのに人間界に攻め込むつもりなのか?」
ビネガー「人間支配は魔族の悲願。諦めるつもりはない」
ジャキ「ならなぜ力ずくで従わせないのだ? お前は今、私を力ずくで従わせようとした。あの二人に戦いを挑んで従わせればいいだろう?」
ビネガー「ソイソーとマヨネーの事か…。アイツらは強い。まともにやりあえば私も向こうも無事では済まないだろう」
ジャキ「…お前の野望とはその程度なのか…
ビネガー「何が言いたいのだ?
ジャキ「私に戦いを挑んだのは、私を下に見ていたからだろう? 下にいる者にしか戦いを挑まないのなら、自分より強者が現れたらお前は部下を見捨てて逃げるのではないか?」
「お前なら部下を見捨てる様な者の下に就きたいと思うか?」
ビネガーは気付いた。弱い者にしか戦いを挑まない腰抜けなんかに部下はついてこない。
ビネガーはソイソーに戦いを挑んだ。
ソイソーの攻撃にバリアを張る。
ビネガーはバリア中は動けなかった。ソイソーはビネガーを無視した。
ビネガーが骸骨兵士を操り戦いを挑んだ。
骸骨を操っている間はバリアができなかった。
ソイソーはその隙をついてビネガーを倒した。
ビネガーは一旦ソイソーを諦め、マヨネーを狙ったが、精神攻撃で混乱させられて相手にすらならなかった。
ジャキはビネガーの戦いを見届けていた。
ビネガーは何度も戦いを挑んでは負ける日々を繰り返した。
ソイソー「ビネガー! お前しつこいぞ! 諦めない根性は称えるが、礼儀しらずだそ。」
マヨネー「あんたもう私のストーカーやめなよ。あたしは誰にも従わないんだから!」
ある時、ビネガーは提案した。
「ソイソーよ…。強い剣士と戦いたいのであれば、山に篭もるよりも、人間と戦って名を上げた方がいい。向こうの方から強い剣士がやってくるぞ…」
ある時、ビネガーがマヨネーに提案した。
「マヨネーよ…。こんな辺境な村ではなくガルディアの地にはもっとイケメンがいるぞ。一緒にガルディアに攻め込もうではないか…」
こうしてビネガーは二人を仲間に引き入れた。人間と魔族のパワーバランスは整い、長い戦乱の世が続いた…
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作品名:■ジャキのタイムトラベル 作家名:西中