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■クロノと古代人トリガー(改稿)

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■クロノと古代人トリガー



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マールディア王女誘拐事件の裁判で死刑判決を受けたクロノ。3日後に処刑される予定であり、ルッカはクロノの脱獄計画を思案していた。

ルッカ
(クロノを助けるっていってもどうやってやればいい? 武器を使っての強行突入なんて上手くいくだろうか? 失敗すれば私も死刑になりかねない。成功したとしても両親は王宮からどんな罰を受ける事やら…)

ルッカ
(いっそ、クロノのお母さんも私の両親も、みんな連れて400年前の時代に逃げるか?)

ルッカはそれ以外のやり方を思いつかなかった。ルッカはクロノの母ジナと自身の両親タバンとララを連れ、中世のガルディアに保護を求めに向かった。


〜中世ガルディア〜

リーネ
「まあ、未来ではそんなことに…」

リーネはルッカに命を救われた恩があった。快く親の保護を受け入れてくれた。

リーネ
「…そういう事でしたら、誘拐事件そのものを罪に問わない様に、今の時代の大臣に遺言等を書かせましょうか? 未来でクロノさんが捕まらない様にすれば良いのですよね?」


リーネの機転を信じ、ルッカは現代に戻った。


〜城下街、触書の看板前〜

ルッカ
「どういうこと! クロノ、変わらず死刑判決されているじゃない!」

(リーネによる遺言が上手く後世に伝わらなかったの?)

(それにしても、全く変化が無いというのは不自然過ぎる。リーネはそもそも後世への遺言を残さなかったのでは…)

ルッカは思い出していた。中世で魔族が人間の姿に化けていたことを。
教会の中でリーネ王妃や大臣、王にソックリ化ける魔族がいた。助け出したと思っていたリーネ王妃が実は魔族がリーネに成すましていたとしたら。

(だとしたら消滅したマールを助ける事に成功した説明がつかない! マールが助かったのだから、リーネは助かった! まさかマールはリーネの子孫じゃなくて、リーネに成りすました魔族の子孫だったってこと? だからマールはクロノを助けようとしないんじゃ…)

ルッカは心配になってきた。もしかしたらガルディア王宮に住む者全てが魔族が成りすましてて、そんな場所に両親を預けてしまった。しかもタイムトラベルができる者だという事まで説明してしまった。


そもそも王宮の刑務所からクロノを脱獄させる事そのものが無理難題。いくら天才ルッカでも屈強な兵士達と戦える術は無かった。


「あのう、もしかして貴方は過去の世界とを行き来きしているのですか?」

悩んでいるルッカに声を掛けたのは、青髪のスラっとした美人だった。

「私、サラという者です。実は私達、訳あってこの時代に…」

サラはラヴォスと魔神機、タイムゲート、古代ジールの説明をした。
ラヴォスの暴走に巻き込まれて、タイムゲートに飲み込まれ、同じ時代にジールとボッシュも飛ばされ、行動を一緒にしているという。
千年祭でルッカ達がタイムゲートらしき物から出入りしているのを目撃し、気になって話しかけたという。


ルッカ
「え? 天の民? 魔法が…つかえる?

サラの話に半信半疑だったルッカは実演を求めた。

サラ達はルッカの前で奇跡の力を見せた、

ルッカ
(こ、これならクロノを助けられるかもしれない!)

サラ
「…クロノという方の命を助けたいのですよねね…もし良かったら私達が協力する代わりに、私達が元の時代に帰れるようにお手伝いをして頂けませんか?」

ルッカに断る理由は無かった。
時空の歪(タイムゲート)を探す機械さえ作ればいいだけの事。原理としてはゲートホルダーに発信機を付けてひたすらロボット歩かせる。ロボットからの信号が途絶えたらそこにゲートがある。作るのはテレポッドを作るよりも遥かに簡単だろう。

ルッカ達は早速行動を起こした。



サラ達は呪文を唱えると城にまるごとスリプルをかけて内部の人間を眠らせた。

クロノの救出は誰も傷つけることなく成功した。そしてクロノを連れてゲートへ逃げ込んだ。


ーマールー

王宮は脱獄者クロノを追いかける為に国中に包囲線を張った。
マールはなぜ王宮がそこまでクロノの命に拘るのか分からなかった。
裁判後、3日で死刑を執行するという異常な判決に、王宮の誰もが疑問に思わなかったのが不自然だった。両親でさえ、マールの意見に味方してくれない。クロノが過去で自分達の先祖を助けたのだと説明しても信じてくれなかった。
信じないだけでなく、マールを部屋から出られない様に幽閉した。

マールはルッカに助けを求めるしかなかった。


窓からカーテンやロープを吊り下げ城から出る。

マールが森に抜けてルッカの家に向かっていた。

ルッカ
「マール、貴方どうしてここに!」

マール
「クロノが大変なの! このままじゃ死刑にされちゃう!」

ルッカ
「わかってる。実は私達、今からにクロノを脱獄させに行くの。マールもあの人達を見たら驚くよ。」

奇跡を目撃したマール

マール
「うわー!すごいーい!」

クロノ脱獄成功後、中世の山中で何度も「すごいーい!」を連呼していたマール

サラ
「もし良かったらマールさんも、やってみます?

マール
「え! できるの!?

サラはマールの額に自身の額を当てて念を送った。
マールの頭の中に古代人の知恵が流れ込んできた。


サラ
「使える魔法の種類に限りがあると思いますが…」


マールはアイスを唱えた。
森の木々が氷る。
マールはケアルを唱えた。氷った木が何事もない状態になった。

マール
「わー! これすごいー! ルッカもやってみなよ。」


ジール
「どれ、では今度はわらわがやってしんぜよう。」

ジールはルッカの額に重ねた。

ルッカは火の魔法を覚えた。

ルッカ
「こ、この技術は物を溶接したりするのに便利かもしれない…巨大な工房が必要なくなる!?」

ボッシュ
「ではワシはクロノ殿へ…」

ボッシュがクロノに額を重ねるとクロノは雷魔法を覚えた。

ルッカ
「あー! 電気のコントロールいいな〜。私もそれ欲しいー!」

ボッシュ
「ルッカ殿は欲張りじゃのう。ほれ、ワシの額ねてみなさい。」

クロノ達は初心者ができる一通りの魔法を覚えた。

マール
「もっと凄い魔法は覚えられるの?テレポートする魔法とか。」

ボッシュ
「残念じゃが、現代人と古代人は身体の作りが違うみたいじゃて、覚えられる物に限りがあるんじゃ。」

マール
「練習してもダメなの? 

ボッシュ
「多分無理じゃろうな…。テレポートの技術に特別長けた者から伝達させれても上手くいくかどうか…。テレポートはワシですらできない分野じゃから…」




〜ガルディア城〜

サラ
「マールさんとルッカさんの話を考慮すると魔族が王族に成りすましている可能性があると。

ジール
「人に成りすます魔族とはこれまた物騒な…。わらわ達の時代では考えられんことじゃ

ボッシュ
「ソックリに化ける等、我らでも難しいこと。それが魔族にできるのであれば、魔術のレベルが相当に高いとみた。皆さんは城の外で待って居て下され。」


サラ達はクロノ達を残し、城へ入った。

城へ入った瞬間、サラは強い魔力を感じた。