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悪魔言詞録

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19.妖精 ジャックフロスト



 ヒーホー!!

 あっ。その入れ墨みたいな体の模様! さては君が、最近うわさの半分悪魔の人間かホ? よーし、このジャックフロスト様が、コテンパンにやっつけてやるホ!

 まずは、マハブフで、お供を含めてみんな氷漬けにしてやるホ……。その次は、おいらのパンチで、氷ごと粉々に粉砕してやるんだホ!!
 よし、凍りついているお供のシーサーさんからやっつけてやるホ!

 ……!

 ちょっ、ちょっ、ちょっと待つホ。それ、その構え、まさか、ファイアブレスかホ?
 それだけはやめるホ。ファイアブレスは、さすがにやめてほしいホ。そんなもの食らったら、雪だるまのおいらは一瞬で溶けてなくなってしまうホ。これでもおいら、マスコット的な存在として、たくさん仕事をしてきているんだホ。例えば、写真を撮る機械のマスコットとか、通信アプリのスタンプにもなったりとか、いろいろと重職を歴任してきているのだホ〜。だから、こんなとこでやっつけたら、後が怖いホ〜。どんな政治的圧力があるか、分からないホ。ここは大人しく、逃したほうがいいんじゃないかホ? なにやら、君、巫女に会いに行くなんて話も聞いてるホ。派手に暴れまわらないほうが、いいんじゃないかホ〜。

 なんだホ? 逃すんじゃなくて、仲魔にしたいのかホ? ホ〜、君、なかなかお目が高いホ。おいらに目をつけるなんて、なかなか分かっているホ。
 実はおいらは氷結魔法が得意だと思われているけど、一番得意なのは、カグツチが静天時のときの攻撃なんだホ。このとき、おいらの攻撃は必ずクリティカルになるホ。雪だるまだから、日が照っていないときは調子がいいんだホ。ということは、分かるホ? 強い敵の前で、カグツチを調整して静天で挑めば……。

 さて、そういうことなら交渉するホ。まず、2000マッカからどうだホ? 次は、力を8割ほど吸わせてもらうホ。なんだホ? 怖い顔をして。

 ……わかったホ。ただで仲魔になるから、ファイアブレスの構えはやめるホ〜。


作品名:悪魔言詞録 作家名:六色塔