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悪魔言詞録

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13.夜魔 リリム



 ねえねえ、おにいさーん。あの、もしもーし。お話、聞こえてますかー?
 もう、さっきからずーっと、目も合わせてくれないじゃん。あー、もしかして、あんまり女の子とお話したことないのかなぁ?
 そっか、仕方ないよね。あたし、すっごいかわいいもん。目も合わせられないほど緊張しちゃうの、すごく良く分かる。でも大丈夫、安心していいよ。別に、変な勧誘とか、絵を買わせようとかじゃないから。

 …………。

 ねー、やっぱり無視してる。おにいさん、もしかしてちょっとかっこいいからって、調子乗ってる?
 むー。少しは、反応ぐらいしてくれてもいいんじゃないのー? せっかくさ、ギンザなんて華やかな場所にいるんだし、近くにおしゃれなバーや宝石屋もあるんだから、少しは女の子の相手をしてくれてもいいんじゃない?

 あ、やっとこっち向いてくれた。え、なになに? 別の悪魔を探しているから、今は構っている暇はない?

 なにそれー。ちょっと、ひどくなーい? こんなかわいい悪魔が話しかけてるのにさー。少しぐらいお話してくれたって、いいじゃーん。ちなみに、誰さがしてんの? フロストくん、ヤカー兄さん、ガキあたりだったら、あたし顔きくからすぐ呼んであげるけど。

 ……あー、アプサラスちゃんかあ。あの娘も肌、青白くてかわいいよね。でもさ、あんましゃべったことないんだよねぇ。
 つかさー、あたしと話してんのに、他の娘の名前出すの、ちょっとありえなくない?

 なに? そう言うと思ってたから、ずっと無視してたんだって? ってことは、おにいさん、実はあたしのこと、結構気にしてたってことじゃん。

 えへへー。やっぱり、このリリムちゃんのことが気になってたんだー。こんなかわいい子が声かけてたのを、ずっと我慢してたんだよねー。

 でさ、おにいさん。もしさ、ストックに余裕があるなら、あたしも連れてく気はない? あたしもアプサラスちゃんと仲良くなりたいし、それ以上におにいさんと仲良くなりたいからさ。


作品名:悪魔言詞録 作家名:六色塔