機動戦士ガンダムRSD 第44話 最後の力
声の方向を見ると1機のマールスがビームライフルを連射しながら接近してきた。
レイダガーは、その攻撃を回避しながら距離を取った。
マールスは、スダルシャナの隣に立つとレイダガーにビームライフルを連射した。
「貴様ら被害者妄想の激しい集団の相手は、こりごりなんだよ。
ナチュラルども」
レイダガーは、キングコブラ赤外線誘導短距離AAMを2機に撃ったが頭部バルカン砲で迎撃された。
爆煙から出ると1機のザクウォーリアがいた。
ザクウォーリアは、ビームライフルを撃とうとしたがシールドではじくとビームサーベルを突き刺した。
「とどめだ」
ビームカノンを受けたザクウォーリアは、時間差で爆発した。
※
ストライクフリーダムガンダム、プルデュエルガンダム、ヴェルデバスターガンダムはステーション1近くにいた。
「キラ」
イザーク少佐がキラ准将に呼びかけた。
「うん」
キラ准将は、イザーク少佐の言葉の意味を理解した。
ストライクフリーダムガンダムは、ステーション1内に入るとビームソードを最大出力まで上げるとステーション1を真っ二つに切って破壊した。
その様子を地球軍兵士皆が見守っていた。
※
α艦隊旗艦のリーンホースJr.のレクリエーションルームでは、サオトメが静寂していた。
「少しは、休めたか?」
そこにサイジョウ元帥がやってきた。
「はい」
サオトメは、敬礼しながら答えたがサイジョウ元帥が制止した。
「俺達もそろそろ出撃だぞ」
サイジョウ元帥は、そろそろ出撃であると伝えた。
「状況は?
η艦隊は?」
サオトメは、戦況やη艦隊の状況が知りたかった。
「η艦隊も奮戦したようだがステーション1は、落とされた。
しかしとうとうアーガマもどきを沈め今は、こちらへ向かっているドゴス・ギアもどきらを追撃している」
サイジョウ元帥は、アーガマもどきを沈めたのを自分の戦果のように報告した。
遊撃艦隊は、一足先にメサイアに接近していた。
「目標、距離8000」
オペレーターが報告した。
「主砲照準。
撃て」
艦長の命令で遊撃艦隊は、主砲を発射したがビームシールドで防がれた。
それには、ブリッジにいた皆が驚いた。
※
「これよりメサイヤは戦闘態勢に入る。
コンディションレッド。
繰り返す。
これよりメサイヤは、戦闘態勢に入る。
コンディションレッド」
オペレーターの1人が戦闘態勢を発令した。
「全ての攻撃オプションを起動」
別のオペレーターが武装を起動するように指示した。
「ネオ・ジェネシス、スタンバイ」
もう1人のオペレーターがネオ・ジェネシスの起動を指示した。
マユ大佐、ステラ少尉とルナマリア大尉は機体の最終チェックをしていた。
ミネルバのブリッジでアークエンジェルが撃沈され戦略的な勝利を収めたもののタリア艦長とアーサー副長が沈痛な表情をしていた。
※
α艦隊でもメサイアをモニターで確認できる距離に近づきモニターに映された。
「これは」
ミハイル副長がその大きさに圧倒されていた。
「要塞だ」
ヘルマン中尉が見た感想をそのまま口にした。
「艦長。
オレンジ186より進行する巨大構造物」
エルヴィン中尉が報告した。
「これが地球軍の切り札か」
マーカー艦長は、決戦を覚悟した。
ジャンヌ・ダルクのブリッジでは、皆が圧倒され何も言えなかった。
※
メサイアでは、着々とネオ・ジェネシス発射準備が行われていた。
「目標、射程まであと20」
オペレーターが目標までの距離を報告した。
「ニュートロンジャマー・キャンセラー起動。
ニュークリアカートリッジ、激発位置へ」
別のオペレーターが安全装置の解除を報告した。
※
それは、リーン・ホースJr.でも確認できた。
「高エネルギー体収束」
エルヴィン中尉が切羽詰まった声で報告した。
「艦隊を」
マーカー艦長が戦慄しながら命じた。
「違う。
こっちじゃない」
その時サオトメが慌ててブリッジに来た。
※
メサイアは、ネオ・ジェネシスの発射準備が完了した。
「目標、射程内に入ります」
オペレーターが報告した。
「撃て」
司令官が命じるとネオ・ジェネシスが発射された。
皆が戦慄したがネオ・ジェネシスは、コロニーレーザーに向かっておりコロニーレーザーは破壊された。
その光景にコロニー軍兵士・地球軍兵士問わず皆が戦慄した。
※
「次発のチャージ急げ。
デスティニー、レジェンド、アカツキ発進」
司令官が命令を出した。
「デスティニー、レジェンド、アカツキ発進」
オペレーターが命じた。
「ステラ・ルーシェ、レジェンド、発進します」
レジェンドガンダムが発進した。
「マユ・アスカ、デスティニー、発進する」
デスティニーガンダムが発進した。
「ルナマリア・ホーク、アカツキ、出るわよ」
アカツキガンダムが発進した。
※
「クソ。
あんなものを伏せてあったとは」
マーカー艦長は、すべての可能性を考慮しなかった自分に腹が立った。
「後方よりボギー2接近。
距離22」
ヘルマン中尉が報告した。
皆が思った以上に厳しい戦いだと気を引き締めなおした。
※
「さあ、今度こそ消えていただこう。
アツシ・サオトメ」
司令官は、不気味な笑みを浮かべながら言った。
※
リーン・ホースJr.のマン・マシーンデッキでは、すでにサオトメがガンダムサイガーMK-3に乗っていた。
「サイジョウ元帥」
サオトメがサイジョウ元帥に声をかけた。
「ああ、行くぞ」
サイジョウ元帥も出撃準備が完了していた。
「アツシ・サオトメ、ガンダムサイガーMk-3出る」
ガンダムサイガーMk-3が発進した。
「タカノリ・サイジョウ、ガンダムエンペラー出る」
ガンダムエンペラーも発進した。
(キラ・ヤマト、お前の存在だけは許さない)
サイジョウ元帥は、キラに並々ならぬ憎悪をぶつけていた。
作品名:機動戦士ガンダムRSD 第44話 最後の力 作家名:久世秀一