再見 参
「、、殿下、、林府の封印を破りましたので?。罪に問われませんか?。」
「私は都を出るのだ。どこかの誰かが気付いた時には、私は遥か都の外だ。罪も追いつけまい。」
「確かに。」
靖王は笑っていた。
一昨日まで、あれ程儚く見えた主が、今日は頼もしく見えた。
馬に乗り、振り返り、林府の門を見上げる。
「、、再見。」
昨日、靖王との別れ際に林殊がかけた、聞き取れなかったあの言葉だった。
心は致命傷を負ったかの如くに、衝撃を受けた。
なのに、こうして立ち上がり、
この歩みを止めることは無い。
、、、友の生を信じているから、、
そして感じているのだ。
──────糸冬──────