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来栖なお探偵事務所 1話 依頼

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雑多の多い都会、その一角にある小さいビルの二階にその事務所はあった。
その事務所の扉には来栖探偵事務所と書かれていた。

探偵事務所なんてこの時代誰が使うのか、と思うかもしれないが、それでも存在してるのだから必要とする人はいるのだろう。

そんな探偵事務所で二人の男女が居た。
女の子は一番奥の革張りの一人用椅子に座り、机に突っ伏した状態で言った。

「ねぇ、助手君」

女の子が助手君と呼んだ二十歳前後の彼は、身長180前後、黒い瞳に黒い髪の執事服を着た男性だ。

助手はソファーに座って机の上の書類を片付けていた。

「何ですか、なおさん」

助手は書類から顔を上げてなおの方に振り向いた。

そう、助手を呼んだ彼女こそが、この事務所の持ち主、来栖なお探偵本人であった。

身長は146で全体的に細身な体。
かなり童顔で、パッと見ても十代かと思うかもしれない容姿だが、きちんと二十歳は超えている。

瞳は青みがかった薄いピンクに整った鼻。
髪は薄い青色に長い髪を左右に結びんでいる。

服は有名なシャーロック・ホームズなどが身に付けている鹿撃ち帽(しかうちぼう)にケープ付きコートのケープだけ羽織り、その下はインナースーツという、少しどうかと思う格好だが、何故かいやらしさがないのは、助手が見なれたのかは定かでは無かった。

腰にはよく分からない金属製のベルトに短めのスカートが付き、紺のニーソックスから太ももを伝うガーターに長めのロングブーツ、手には手袋と、腕に冷却効果のあるアームカバーを身に付けている。

「最近僕の所に依頼がそんなに来てないのは、やっぱりこの事務所が分かりずらい所にあるからかな」

なおはそう助手に聞くが助手は書類に目を戻し。

「まぁそれも一理ありますが、根本的な理由では無いかと」
「根本的な理由?」

はてなマークを頭に浮かべながらなおは首を傾げると、助手はため息をついた。

「四日前の犬の依頼、忘れましたか」
「うっ…」

それを聞いて思い出したのか、なおは頬をひきつらせた。

「犬を捕まえたはいいですけど、その後に犬がなおさんを離さなくて飼い主が怒ってしましたからね」

そう、前回受けた依頼では犬探しの依頼だった、犬はすぐに見つかったが、犬がなおの服に引っ付き、引き剥がすのが大変だった。

何とか引き剥がせはしたが、飼い主は犬が他の人に懐いてる事に怒ってしまい、犬を引きずって帰ってしまった。

「一応報酬の方は貰いましたが、あれでは依頼主が良い宣伝してくれるとは思えません」
「そうだけど、あれは僕が悪い訳じゃないし…」

頬を膨らまして抗議するが、助手はジト目になり、なおを見た。

「な、なによ」
「…いえ、別に」

助手は書類に目を戻しながらその時の事を思い出していた。


〜〜〜回想〜〜〜

「ねぇ、この子お腹すいてるかな」

探していた中型犬より少し小さい犬を捕まえたなおは、助手に抱えられている犬を撫でながら唐突に言い出した。

「どうでしょうかね」

依頼主に連絡した助手は特に興味なさげに答えた。

「これ、さっき商店街のお兄さんがくれたから、この子にも食べさせてあげよ」

そんな事を言い出して取り出したのは骨付きの肉だった。

タレ漬けされ、空腹を誘うそれをどこから取り出したのか、犬は助手の手から飛び出し、骨付き肉にかぶりついた。

「そんなもの食べさせたらダメじゃないですか、犬はあんまり油っこいものや人が食べるような味が濃いものは食べさせてはいけませんよ」
「えぇ、でも美味しそうに食べてるし」

そうゆう問題では無い、とゆう事に気づいてないであろうなおに説教しようかと思った助手だったが。

「ワン!」
「え?ちょ、まってまって、僕もう持って無いから!」

犬が骨付き肉を食べ終え、それを持っていたなおに飛びついた。
犬は顔を舐めたり身体の隅々まで頭を突っ込んで、まだ骨付き肉がないか探していた。

「ちょっとまって、やめてってば、じょ、助手君、た、助けてよぉ〜」
「これに懲りたら、むやみやたらに餌をあげないことですね」

助手は溜息をつきながら犬を引き剥がそうとしたが、犬はなおの服を噛んで離そうとはしなかった。

そして、タイミング悪く飼い主がやって来て、なおから離れない犬を見て少しトラブルになったが、何とか依頼は終わった。


〜〜〜回想終了〜〜〜


そんな事を思い出しながら、助手は手にしていた書類を片付けをしていると。

コンコン

玄関の扉からノックの音がした。

「誰だろ?今日は特に誰か来るとかってなかったけど」

なおが椅子から立ち上がろうとしたが。

「自分が出ますよ、なおさんはそこに居てください」

助手君は手を上げて先に立ち上がり、そのまま玄関に向かった。

なおは「ちぇ〜」と言いながら椅子に座り直した。

何故助手がなおに出てもらわなかったかと言うと。

(なおさんが出ると依頼者以外の人が来た時が危ないかもだし、探偵なんてやっていると、何かと逆恨みなんかあるかもだし、逆恨みは無くても物騒な世の中だ、警戒するに越したことはない)

そう思い助手は玄関を開けた。

「はい、どちら様ですか」

扉を開けるとそこには五十代ぐらいの女性が居た。

「あの、こちらは探偵事務所でよろしいですか?」

助手は直ぐに女性を観察した。

(年齢は推定五十代後半、身長は145~150前後、背筋は曲がっておらず、佇まいからも気品を感じる)

助手は次に身なりを観察した。

(ブランド物の服にブランド物のバック、そこまでなら普通のブランド好きで済むが)

助手は女性の指輪を見てそうじゃないと判断した。

(指輪に付いている宝石は、ピンクダイヤモンド?!世界でも数が少ない代物、そして大きさからして一カラット以上、だとしたら数千万はくだらない代物だ)

そんな物を付けている人がただのブランド好きなわけが無い。

これは何かあるかとは思うが、話を聞かなければ分からない。

助手は観察をすぐに済ませて一礼した。

「ようこそ、来栖探偵事務所へ、ここでは何ですので、奥の席へどうぞ」

助手は失礼のないように対応した。

「あら、お若いのに礼儀正しいですね」
「ありがとうございます」

女性は微笑みながら中に入り、そのままソファーに腰掛けた。

「少々お待ち下さい、今来栖探偵を呼んできますので」

そう言うと女性は首を少し傾げて聞いてきた。

「あら、貴方が探偵さんではなかったのですね?」
「ええ、自分はただの、助手なので」

助手は一礼をした後に奥の部屋に向かった。

「なおさん、依頼主が来ましたよ」
「え!本当に!」

なおは嬉しそうに椅子から立ち上がり、応接室に行こうとしたが。

「待って下さい」
「え、な、何?」

助手がなおを止めてから話した。

「今回の依頼なのですが、少し気をつけなければいけないかも知れません」
「何で?」
「依頼主なのですが、おそらくそれなりの富豪です、なので依頼の内容によっては断らないといけません」
「う〜ん、でも困ってるからここに来たんだし」
「それでもです、危ない事はなるべく受けない方が身のためでもあるんですから」