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長き戦いの果てに…(改訂版)【5】

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ルートヴィッヒの顔色が蒼白になった。
「あの時……兄さんが先生と話していた時だ。あいつの側に付いていたら、うわ言で同じことを言った。その直後に容体が急変した……」
ギルベルトは淡々と続けた。
「聞き込みをやった時にも同じ言葉を聞いたよ。お前の命が危ない、生死の境目だって軍医に宣告された時、あいつは意識のないお前に向かって必死で叫んだそうだ。這いつくばって床に頭を擦り付けるようにして『もう二度とあんなことは言わないから戻って来て』くれとな。その後はまるで狂ったみたいになっちまって、病室で暴れるあいつを止めるのが大変だったらしい」
ギルベルトは溜息を吐いた。
「そこまで言われたんだ、何か覚えがあるだろう。あいつはお前に何を言ったんだ」
ルートヴィッヒの青い瞳は、今や狂おしい光を帯びて兄の真紅を見つめていた。
「分からない……分からないんだ、兄さん。どういう事なんだ、あいつは一体何が言いたかったんだ。あの部屋でうなされていた時も言ってた、その言葉が気になって、少し落ち着いたら話を聞こうと思っていたんだ。それが、あんな事になって……俺は──」