【FGO】カルデアのお正月
「そうなんだよ。地域や家庭で全然ちがうの。って、これは初めて見たんだけどね。それにしても、そっちも美味しそう」
「はい、とても興味があります」
ロビンフッドの問いに、立香とマシュが盛り上がるのに、村正は複雑な顔をして一口汁を啜った。この短時間でやるな、エミヤ。立香は思わず感心して、ふと思う。あれ、もしかしてこれって……?
「……、美味ぇじゃねぇか、チクショウ」
ニヤリと、悔しそうな、不敵な笑みを浮かべてそう呟く村正を見て、立香はこれは一波乱ありそうかな、と不安を抱く。エミヤの雑煮は、仲直りと言うよりは多分、挑戦だ。全員が必ず仲が良くなければならない、とは思わないけれど、出来れば人理修復の闘い以外は穏やかでいてほしいものだ。
その後、エミヤと村正が、調理で張り合う姿が見られるようになる。加えて、サーヴァント達の中でももともと料理が得意だった者たちまでが、料理を担当するようになる。結果、カルデアの食事のクオリティが劇的に向上した末、美味しすぎて体重が右肩上がりになると言う所員のクレームが寄せられるようになるのは、また別の話。
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作品名:【FGO】カルデアのお正月 作家名:せんり