ラブライブ!スクールアイドルオールスターズ!?
閑話・宇宙NO.1アイドルの出会い
にっこにっこに~♡
宇宙NO.1アイドルの矢澤にこで~す♡
らぶにこ~♡
って言いたいところだけど、今のにこはまだデビューしたてのひよっこ。
ま、いずれは宇宙一になるけどね。
ゴホン、今日はにこが会った少女の話ね。
あれは、私たちμ`sが解散する2週間前ー
* * *
「スカウト、ですか?」
A-RISEに呼び出されてUTXに来たら、UTXグループのお偉いさんからそんなことを言われた。
「ああ。我々UTXグループは優秀で素質のある人材を求めているんだ。君はスクールアイドルμ`sとしてこの1年活動し、ラブライブ!優勝という実績がある。それに君の夢は宇宙NO.1アイドルなのだろう?高校を卒業したらうちの事務所に入ってくれないか?」
その言葉を聞いて、にこは考える。
UTXの宣伝力はすごい。
A-RISEが所属し、最新鋭の設備が集まっているUTX高校はとてつもない人気だ。
そう、音ノ木坂学園の存続が脅かされたほどに。
もしUTXに所属したならば、プロとして最高のスタートを切れるだろう。
でも…
「その話、いったん保留とさせてください」
「ほう。なぜだね?」
私は答える。
「今はμ`sとしての活動に集中したいんです。この話は来月にもう一回お願いします」
そう言って、私はUTXをあとにした。
* * *
UTXからの帰りに出会ったのが、あの子だった。
「はあ…」
その子はアイドルショップの前で右往左往していた。
「何ため息ついてんのよ」
「!?」
彼女は、にこの声に驚いたようにビクッと体を震わせる。
そして振り向いた。
「そ…」
「そ?」
「その声は、やざ…ムグ!!!」
私は彼女の口を押さえた。
「シーッ!声が大きい!」
まったく、にこはμ`sの最もかわいいメンバーとして有名なんだから、どこにファンがいるかわからないこの状況で名前を叫ばれるとたまったもんじゃないわよ。
とりあえず、彼女を連れて\\\"あの場所”へ行く。
* * *
「おかえりなさいませ、お嬢様方」
「ことり、お疲れ様」
そう、ここは伝説のカリスマメイド、ミナリンスキーことうちのことりが働いているメイド喫茶だ。
「にこちゃん、その女の子はだあれ?」
「そこのアイドルショップで拾ったの。これから話を聞くわ」
「そうなんだ〜。それじゃあ、お席にご案内しますね」
ことりに案内されて席につく。
「それじゃ、あなたの名前を教えて頂戴」
「は、はい。…私の名前は中川菜々です」
「それで、なんでため息つきながらウロウロしていたの?」
「実は、私の両親が厳しい人でして、アイドル関係のグッズがバレたら大変なんです」
「買いたくても買えない、と」
「はい…」
その言葉に、にこは考える。
親にバレなくて、でもいつでも持っていられるアイドルグッズ…
「あ!」
そうよ、あれがあるじゃない!
「仕方ないわね、これをあげるわ」
そう言って、私は彼女にペンダントを渡す。
「これは、まさか!!!」
「そう、\\\"Smile wings”よ。これはアイドルとは関係ないデザインだし、いつでも持っていられるでしょ?」
にこのアイドルグッズの中でも1番の宝物。
この\\\"Smile wings”は全国のA-RISEファンの中でもにこしか持っていない貴重な1品。
その存在を知る人は多く、にこがツバサからこれをもらったエピソードは、A-RISEとμ`sの伝説の1つとして既に語られている。
ネトオクにかけたら余裕で1000万円はいくわね。
「そそそ、そんな高価で大切なものを…」
「いいのよ。それを大事に持っておくこと。そして、いつか立派なスクールアイドルになったら返しに来なさい」
「ッ!…気づいていたんですか?」
「バレバレよ。あんたがスクールアイドルをやりたいってことくらい」
にこやことりを見たときの反応でね。
「…わかりました。いつか、私が立派なスクールアイドルになったとき、返しに行きます!」
「よろしい!それじゃ、そろそろ注文するわよ」
「はい!」
それから、二人で世間話やスクールアイドルについて語り合った。
* * *
μ`sの解散と同時に私はUTXの事務所へ所属した。
それから何年か経って、菜々は優木せつ菜としてスクールアイドルデビューを果たした。
そのときにはにこもデビューを迎えて忙しくなってたから様子を見に行けなかったけど、PVを見る限り、楽しくやっていそうだったわ。
にこの話はここでおしまい。
最後まで聞いてくれて〜
あ
・
り
・
が
・
と
♡
そういえば、\\\"Smile wings”をあげた、って言ったらツバサが爆笑してたわね。
なんでなのかしら?
作品名:ラブライブ!スクールアイドルオールスターズ!? 作家名:ふゆくれ@ノベリスト